元不登校、不登校症状に悩まされるの巻〜心因性発熱・腹痛
微熱が続く。お腹が痛い。頭も痛い。体がだるい。
お風呂に入るのもめんどくさい。
一日中パジャマで、一日中寝ている。
子どもの話じゃないです。
26歳、成人、自分の話です。
不登校開始(9歳)から17年。
不登校終了(16歳)から10年。
現在は、、
大学院の博士課程に在学中
兼、所属研究室の非常勤研究員(週3勤務)
兼、不登校専門家庭教師
めざすは、不登校を専門とする研究者。
幸い研究支援金も支給されることが決まり、研究活動に邁進して…
邁進して…まいしん…
研究室に勤務をし始めて一週間後、左下腹部痛を感じるようになった。
数分おきに、ズキっと痛む。
お腹を壊したりはしていないので、婦人科を受診。
子宮と卵巣が炎症を起こしている可能性があるということで、抗生剤を処方された。
その日の夜から、熱が出だした。
熱と言っても37℃前後の微熱。上がったり下がったり。
抗生剤を飲んでも、微熱も腹痛も一向に良くならない。
体がだるい。吐き気もしだした。
「下腹部痛 微熱」「腹痛 間欠的」「微熱 吐き気」
不安で不安であれこれ検索し、医学系論文も読みあさった。
日に日に症状が増悪し、たまらず数日後に、再度婦人科を受診。
バイクに乗るのもしんどく、タクシーを使った。
子宮周辺で炎症を起こす菌の検査結果は、すべて「陰性」。
熱があるということで、お医者さんは慌てた。
「虫垂炎疑い」ということで、そのままタクシーで大きな病院に回された。
大きな病院の外科で、触診を受け、両腕から血液を採取され、腹部CTを受け…
(あわせて、PCR検査も)
検査結果待ちのベッドの中で、
「何かの病気でこのまま入院になったらどうしよう。親、遠方だしなぁ」
と痛むお腹を手で押さえながら考えていた。
同居人にも、入院の可能性をLINEした。
検査結果を伝えに来た外科医師の顔は、神妙だった。
「あのですね」
「何も異常、ないです。」
「異常、ないです。白血球数も正常です。」
まじで?
…まじで?
看護師さんに、「もやもやしますよね〜」とフォローされた。
ポカンとしたまま、流れるままにお会計をして、病院を出た。
相変わらず熱っぽいし、お腹はズキズキ痛む。タクシーで帰宅した。
「異常、なかった。」
力ない声で、母親にビデオ通話で伝えた。
母は、「とりあえず、異常なくてよかったね」と言った。
「でもお腹痛いし、吐きそうだし、熱ある、なんでかわからへん。」
検査に疲れた上に原因がわからずイライラする自分に、母親は言った。
「体に異常がないんなら、心というか、ストレスなんやない?」
えっ。
母は続けた。
「あんた4月から仕事始めて、まぁそれまでもバイトしてたっち言っても、責任は増したとかあるやろうし、生活も変わったと思うし。」
「最近、気温差も激しいけね。知っとる?気温差って、体にものすっごいストレスがかかるんやって。」
「あんたは、、、うん、心因性っち気がするなぁ、私は」
…その発想はなかった。
「やけん、ネットで病気のこととかあれこれ調べ続けるの、もう一旦ストップして、ゆっくり休んだ方がいいんやない?」
「疲れとるんよ」
母の「心因性なんやない?」という意見に(なぜか)衝撃を受けるとともに
母の自分のことをわかってくれて寄り添ってくれる姿勢に泣きそうになった。
なんとか涙をこらえながら、「うん、ゆっくり休むわ」と電話を切った。
電話を切って、大泣きした。
こんなにもストレスが溜まっていたのかと自分で自分に驚いた。
「心因性発熱」「機能性高体温」「反復性腹痛」「機能性腹痛症候群」
検索してみると、出てくる情報には
『不登校に関連する』『不登校児によく見られる』『子どもの心身症』
といった文字が躍っていた。
いや、ワイ、26歳なんやが………
思えば、小児心身症と分類されている起立性調節障害も、まだ治っていない。
立ちくらみがひどい。ちなみに母親も立ちくらみがひどい。
ちなみに元不登校の兄も、仕事のストレスがかかると熱が出るそうだ。
……遺伝って根深いな、心身症って根深いな。
電話して、精神科の受診を早めてもらった。
その時は、もう入院したいくらいしんどかった。
体はしんどいのに、外を活動的に歩き回っている自分がいた。
体がオーバーヒートしているので、休憩しなければならないのに、うまく休めない。
不登校あるある、「休むのがヘタ」が発揮されていた。
病院では、抗不安薬・メイラックスと漢方・補中益気湯を処方された。
主治医に仕事を休むように言われ、今月いっぱいは仕事を休みにしてもらった。
「毎週決まった曜日・時間に勤務する」というのは初めての体験だった。
「タイムカード」も初体験で、わくわくした。
仕事も、電話かけばかりで大変だけれど、人間関係も良好で楽しかった。
なのに、週3の勤務に、1ヶ月でギブアップした。挫けた。挫折した。
自分に絶望する気持ちが、より自分をディスエンパワメントしている。
「たかが」週3の勤務で体調を崩した自分に対して、「ショックだ」と感じた。
一方で、「当然だろ」とも感じた。
今までの、不登校とか、2度の冬季うつとか、自分の心身の経歴を考えるに、週3働いて、並行して研究もしたり家庭教師もしたり、どう考えても無理があった。
なんにせよ、たぶん自分の課題は、「ストレス」を自覚できないことだ。
たとえば仕事で電話かけを担当していたのだが、それを「ストレス」ととらえていなかった。
むしろ「電話かけをちゃんとできる自分」に喜びを感じていた。
周りからも「石田さん、電話上手ですよね」「先方と信頼関係を築けてすごい」と褒めてもらえて、内心すごく嬉しかった。自信になった。
でもよく考えたら、よく考えなくても、凄まじくストレスがかかっていたんだと思う。
10代の頃、自分は社交不安障害(対人恐怖症)だった。
親に電話することすら、いやメールすることすら、心臓がバクバクして、手汗びっしょりになる子どもだった。
コンビニで肉まんを買いたくても、緊張して、買えなかった。
どうしても人に電話しなければならない時は、読み上げ原稿をびっちり書き出してから、何度も深呼吸して、心臓をバクバクさせながら電話していた。
特に専門的な治療は受けておらず、高校生頃に
「不安感覚を麻痺させる」
という荒療治で治した「気」になっていた。
麻痺させて、誤魔化してきたけれど、誤魔化しきれなかった。
その結果としての、今の発熱・吐き気・腹痛なんだと思う。
今も、相変わらず熱は下がっていないしお腹は痛いし吐き気もする。
不安と鬱とイライラが、次々と順々に襲ってくる。
おまけに薬の副作用ですごく眠い。
なんだかとりとめのない文章になったけれど、眠いということで許してください。
死なないようにかんばります。
使用用途::不登校関連書籍の購入、学会遠征費など