眠れぬ夜
ただ静かに
夜(よ)の更けるのを共にする
時には庭の鈴虫が
時には窓打つ雨音が
また時には 喉の渇きと腹の音(ね)が
わたしの旅の友になる
闇のなか
寝息のすきまを静かに歩く
ああ この時でさえ
無駄も無意味も起こさない
それを知っているわたし
だから止(や)めずに歩くのだ
歩けども歩けども
闇は 深く鋭くて
瞑れども瞑れども
歩みを止(と)めてはくれなくて
ああ 光を恋い
また 闇をうらみ
只管にまわる秒針は
わたしのことなどつゆ知らず
…………………………
🌱朗読していただきました💬(声:koko さん)
ver.2
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