#37 マイホームにかかるお金②
前回の#36では、マイホームにかかるお金の大枠について、お話ししました。
今回は、「工事にかかる費用」の詳細についてお話しさせていただきます。
工事にかかる費用
本体工事費
■基礎工事
建物の土台となる基礎をつくる工事。
地面を掘り、コンクリートを打ち込むが、傾斜地などは盛土、切土が必要になる。
また、地盤が弱いとコンクリートや鉄筋の量が増えるため、費用がかさむ。
■木工事
柱や梁など大工職人の作業すべてを言う。
使用する木材、加工法、家の形状などで費用が大きく変わる。
■屋根工事
屋根下地、雨どい、軒、屋根葺き、天窓などの工事費。
瓦屋根は初期費用はかかるが、ランニングコストが安く済むケースが多い。
金属屋根は数年毎に塗り替えが必要。
■左官工事
基礎部分や外壁のモルタル、内壁、漆喰などの工事。
■石・タイル工事
土間や外部の石工事、浴室やトイレ、台所などのタイル工事。
タイルは大きさや形が揃っているものより、そろわないもののほうが値段が高い傾向がある。
■塗装工事
ペンキ、ニス塗り、ラッカー、外壁の吹き付け工事、家具の表面塗装など。
面積が多くなると、材料費がかさむ。
■内装工事
壁や床、天井など室内の仕上げ工事。
床のフローリング、壁にクッションを貼る、カーペットを敷き詰める、畳を入れる工事などが含まれる。
■建具工事
ふすまや障子、ドアなど屋内の建具を取り付ける工事。
押し入れやクローゼットなどの扉や引き出しも対象になる。
部屋数が多いとドアの数も増えるため、必然的に費用がアップする。
■電気設備工事
電気配線全般。
配電盤、スイッチ、コンセント、インターホンなどの取り付け工事がある。
■給排水設備工事
水回りに関する給排水の配管工事。
浴室、キッチン、洗面所、トイレなどの配置をできるだけ一直線になるよう気を付けると、配管が短くなって費用削減効果がある。
■住宅設備工事
住宅設備機器の取り付け工事。
システムキッチン、バスやトイレなどユニットの取り付けなど。
別途、食洗器浄水器などを取り付ける場合はその分の費用がかかる。
■造作工事
大工による工事。
木工事で基本的な骨組みを完成させた後の作業で、階段や壁の下地などが該当する。
■雑工事
木工事以外の細やかな工事。
手すりや棚、タオル掛け、下駄箱などの作り付け工事などが該当する。
■仮設工事
足場やシート、トイレ、電気、水道など、工事現場で必要な設備の工事。
■諸経費
工事費用ではないが、本体工事費用に含まれることが多い。
建設業者が工事に必要な関係会社を管理する費用であり、工事中の電気・水道・各種運搬費用などが該当する。
別途工事費
■解体工事
もとの住宅の取り壊し費用。
建て替え時には、取り壊し費用のほか、不要物の分別処理費やリサイクル費用などもかかる。
解体は、解体後に家をつくる施工工事業者に依頼するほうが、効率的にもコスト的にもメリットが大きい。
■地盤改良工事
軟弱地盤の場合に必要な工事。
家を建てる上で、もっとも大切な部分になるので、予算を削るのはおすすめできない。
■外構工事
門扉まわり、カーポート、植栽(植え込み)など。
■冷暖房設備工事
エアコンなど空調の設置、床暖房などの工事。
エアコンなどは入居してから取り付けても◎。
■ガス工事
ガス管の引き込み、メーターの設置など。
ガス工事は指定業者が行うため、別途工事費用に計上される。
■照明器具工事
照明器具の取り付けを頼んだ場合に発生する(もちろん、照明器具購入費用も別途かかる)。
入居後に自分で取り付ける場合は、取り付け工事費はかからない。
設計費・監理費
設計を専門家に依頼した場合に、必要となる費用。
監理は設計図通りに工事が行われているか、図面や現場で確認をすること。
設計を設計事務所に依頼した場合、監理は設計士が行う。
一言で「工事」と言っても、作業は細分化されていることがよくわかります。
これだけ細かく分けられていると驚いた方もいらっしゃると思いますが、でも、これだけ細かく分けられているからこそ、チェックすべき部分も明確になり、家主も、施工業者も安心してマイホーム建築にむけて動き出せると思いませんか?^^
今回ご紹介したのは、「工事にかかる費用」について。
家を建てるには、工事費以外にも様々な費用が掛かります。
立地や間取り、時期によっても左右されますが、「書類や調査に必要な諸経費」や「税金・住宅ローン関係の費用」も発生します。
次回はこの2つについて、ご紹介させていただきます。