#22 赤ちゃんのおもちゃは大人のココロも豊かにする
前回「児童館」について書きましたが、児童館には様々なおもちゃがあります。
多くは寄付されたおもちゃらしいのですが、だからこそ幅広い月齢に合ったおもちゃが数多く揃っており、赤ちゃんたちは夢中になって代わる代わるおもちゃで遊びます。
私の通う児童館で特に人気のおもちゃが、こちら。
どれも可愛らしい色、形をしていて、不思議な音や動きで赤ちゃんだけでなく、ママ・パパの心もくすぐります。
実は、ここが重要!
赤ちゃんだけでなく、ママ・パパをはじめとした「赤ちゃんに関わる人たち」にもウケる…ということが、赤ちゃんのおもちゃにとって重要なポイントです。
赤ちゃんは「顔」が好き、「笑顔」はもっと好き
赤ちゃんは生まれたときから顔が大好きと言われますが、「赤ちゃんの不思議」という本にも、興味深い研究結果が記載されています。
ママ・パパが怒った顔をすると、赤ちゃんも戸惑った表情を浮かべることがありますが、赤ちゃんは人を区別するだけでなく、表情までも認知していることがわかります。
こちらを見つめたり、微笑んだり、泣いたり。
見ていて飽きない赤ちゃんの豊かな表情や行動は、ママ・パパや周りの人へ必死にコミュニケーションをとろうとしている証なんです。
笑顔がもたらす、4つの効果
大人だって、怒っている顔より笑顔のほうが好き!だと思います。
それにはきちんと理由があるのです。
1. 免疫力がアップする
笑いや笑顔には、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化させ、免疫力をアップする効果があるそうです。
また、笑うことで脳への血流が良くなり、脳梗塞などの病気を予防することができるとも言われ、「笑顔」を用いた治療を取り入れる医療施設や介護施設も増えています。
2. 表情筋が刺激を受け、ポジティブな気持ちになる
アメリカの心理学者トムキンス氏が発表した「顔面フィードバック仮説」によると、笑顔になることで顔の表情筋が刺激を受け、それが脳にフィードバックされると、ポジティブな感情が生まれるそうです。
脳科学の視点からも、顔の筋肉は感情を司る脳の神経群が密接に関係しているため、笑顔を浮かべていると脳が楽しいと勘違いしてポジティブな思考になりやすく、反対にしかめっ面をしているとポジティブな気持ちにはなりにくい傾向があるそうです。
つまり、心と表情は密接に連携しているのです。
3. コミュニケーションがスムーズになる
デュシェンヌ・スマイルとは、いわゆる「本物の笑顔」。
これに反するのがノンデュシェンヌ・スマイル(作り笑い、愛想笑い)です。
デュシェンヌ・スマイルは、セールスにおいて重要な要素としても知られています。
販売員さんとの会話や笑顔が購入の決め手になった…という買い物、ありませんか?
私自身、学生時代に複合施設のアパレルショップで販売員のアルバイトをしていましたが、店舗の場所やジャンルに関係なく「売れる店」はほぼ間違いなく「売れる販売員」がいて、「売れる販売員」たちはほぼ全員、コミニュケーション力が高く、何より笑顔がステキな人たちでした。
これは「笑顔の人を見ると気分が良くなる効果」、つまり「デュシェンヌ・スマイルによって、見た商品がより良く見える」という印象付けによるものだと考えられます。
4. 笑顔は周りに伝染する
車のフロント部分や天井の染み、野菜など顔ではないモノが「顔」に見えることがあるますが、これは人の脳に存在する「顔細胞」という、顔や顔のように見えるモノを瞬時に認識する細胞が関わっているそうです。
つまり、人は無意識のうちに人の顔に敏感に反応しています。
赤ちゃんが人の顔をジーッと見つめることがありますが、かわいい赤ちゃんに見つめられると、嬉しくなってついついこちらも笑顔がこぼれますよね。
これは赤ちゃんだけでなく、大人同士であっても同じです。
笑顔の人につられて笑顔になると表情筋が刺激され、ドーパミンやエンドルフィン、セロトニンといった快に関する神経伝達物質が分泌されて、気分が良くなると言われています。
すると、相手もまた笑顔につられて笑顔になるので、お互いに良い気分が伝染しますよね。
赤ちゃんをあやし、感性を刺激するおもちゃたち。
おもちゃで笑顔になる赤ちゃんを通じ、周りの大人たちも笑顔になり、ココロに余裕ができ、豊かな気持ちになる。
そんな大人たちを見て、赤ちゃんも笑顔になる。
幸せのループですよね、本当に。
そういえば、赤ちゃんのおもちゃって木製のもの、特に無垢材のものが多くあります。
そこには木のチカラが関係しているのですが、それは次回お話したいと思います♪