#39 64歳で始めた、母の手仕事
気づけば3月も中旬。
待ちゆく人たちの洋服も、パステルカラーが目立つ季節となりました。
今回は、一緒に同居している母の話をさせていただきます^^
栃木の那須に住む母が私たちと同居するようになったのは、2020年1
月。
母の住むあたりは那須高原の中腹で、朝は灯油ストーブの温度計が「LOW」と表示されるほど冷える場所。
64歳、まだまだ元気な母でしたが一人暮らしとなると心配もあり、ちょうどその時期、長男のイヤイヤ期もあって、同居を提案するとすんなり快諾してくれました。
十年以上続けたパートを辞め、知り合いもいない土地へきてくれた母。
家事全般を手伝ってくれ、子どもたちの相手もしてくれる。
とても心強く頼りになる一方で、寂しくないかな?と(呼んでおきながら)心配な日々でした。
同居開始からしばらくして、息子が頻繁に母の部屋にこもるようになりました。
なんだろう…と思って聞いてみると、
「小さな町があるの。そこで、一緒に遊んでるんだ」
小さな町。。。?
息子と一緒に母の部屋に行くと、ミニチュアがいっぱい!
母曰く、エコクラフトという紙バンドで作ったミニチュアだそうで、他にもかごバッグやお花、帽子などがありました。
昔から手先が器用な母は裁縫や刺繍など得意でしたが、今はエコクラフトにハマっているそう。
それを見た主人が一言。
「お母さん…これ、売れると思いますよ」
主人の発案で、ハンドメイドアプリに早速登録。
登録してからしばらくは注文もなく、母はのんびりと作りたい作品を作り、息子はミニカーや恐竜などを持ち込み、小さな町で遊ぶ日々。
登録してから約2ヶ月が過ぎた3月頃。
ついに初ご注文をいただきました!
嬉しくて、在宅勤務中だった私は走って母の部屋に行って報告。
嬉しそうに微笑み、「いつも以上に丁寧に作らなきゃ!」と意気込む母。
初めてのご注文は、かごバッグ。
約1週間の製作期間を経て、お届け。
それから3年。
かごバッグ、ミニチュア、ひな人形に兜飾り、門松にしめ縄、クリスマスリース。
3年経って、いままのご注文数は累計220件を超えました。
かごバッグのベストシーズンである夏は、10件以上の予約をいただくのが恒例に。
中には毎年色違いで注文してくださるお客様や、お歳暮を送ってくださるお客様も。
「一緒に住んでくれてすごく嬉しいし助かってるんだけど、母は寂しくない?不自由だったりしんどくない?」
同居3年目の今年1月に私がそう質問すると、母は
「そんなこと考えたこともない。今は自分にしかできないことがあるって改めて自信がついたし、これから春・夏のご注文に備えて新作にも挑戦したいし!これも奈々ちゃん(私)と剛くん(主人)がきっかけを作ってくれたおかげだよ」
そう笑って応えてくれました。
母の作品は趣味の枠を超え、たくさんの商品の中から選んでもらえるような機会を得ました。
主人の一言から始まった、母の誇り高いビジネス。
そうだ、仕事って「やらなきゃ」じゃないんだ。
仕事って誇り高いものだし、自信をつけてくれるものだし、自分とお客様(相手)の縁をつなげてくれる大切なものなんだ。
仕事の延長線は、必ず誰かの笑顔に繋がっているんだ。
私たち村松工建も、「ここに住む人」のことを考えて、真心こめて施工しています。
住む人が笑顔になれる家を。
住む人が健やかに過ごせる家を。
ただ「家」という箱を造るんじゃないんです。
私たち村松工建は、箱だけじゃなくてその中も、「この家に住む人たちの暮らし方」までも考えています。
どんな家に住みたいか?
その家で、どんな日々を過ごしていきたいか?
今、なにかイメージできたら、ぜひ言葉にしてみてください。
言葉にすることで、もっとイメージが膨らみます。
もし、そのイメージに悩むこと、不安なこと、わからないことがでてきたら、私たちにも聞かせてください。
反対に、ワクワクするようなイメージになっても、私たちに聞かせてください。
もっともっとワクワクできる家にする、お手伝いをさせていただきます♪