弁護士 村松弘康
北海道最大規模の村松法律事務所 所長 弁護士。早稲田大学卒業。陸別町生まれ。
札幌弁護士会所属 村松法律事務所
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最近の記事
弁護士になりたてで携わった、北海道クロム訴訟(1977年)②〜クロム元素の人体への影響は、働いている人たちに知らされていなかった
札幌弁護士会所属、村松法律事務所所長 弁護士の村松弘康です。 前回の続きです。 クロム元素は1797年(寛政9年)に発見され、このころから英国でクロム化合物の製造がはじまったのです。 1869年(明治2年)にはフランスで労働者の鼻中隔穿孔と皮膚障害が報告され、1890年(明治23年)には、スコットランドで鼻のがんが確認されるなど、その毒性は日本に工場が出来る以前からよく知られていました。 日本では、1893年(明治26年)からクロムの生産が開始され、1919年(大正8
私たちの問題提起がきっかけで、スタッドレス義務化の立法化に至る〜冬道では欠かせないスタッドレスタイヤが日本で普及するきっかけ④
札幌弁護士会所属、村松法律事務所所長 弁護士の村松弘康です。 前回の続きです。 日本でスパイクタイヤが販売されてから25年目、車粉公害が問題にされた1982年(昭和57年)から5年。異例のスピードで、スパイクタイヤ問題は解決しました。 調停成立後の同年7月16日、日比谷公園松本楼において、日弁連公害対策委員会・公害調停申立人弁護士と環境庁長官との懇談会が開催されました。 席上で、当時の環境庁長官 堀内保夫さんは、「人間の身体への懸念が発生したらすばやく対応すること。」