救命の連鎖と胸骨圧迫前までの手順
こんばんは、今回は「救命の連鎖」と「胸骨圧迫前までの手順」について
お話しします。
(救命の連鎖)
突然の心停止を防ぎ、命を救うためには、救命の連鎖が大切になってきます。
①心停止の予防:初期症状に気付くこと
②心停止の早期認識と迅速な通報:応援の要請、AEDの確保
③一次救命処置(BLS):心肺蘇生と電気ショック
④二次救命処置(ALS):心肺再開後の集中治療
この4つが必要となります。
前回も話したように近年、「救急車のひっ迫アラート」が発表され、
今まで10分以内に来ていた救急車が10分以上かかってしまっています。
もし、心肺停止の状態でそのまま放置すれば、生存率は下がってしまい、
最悪の場合は死んでしまいます。
そんなことが起きないようにするためには、心肺蘇生法の知識を持っておく必要があります。
今日と明日で、心肺蘇生法について方法を教えていきます。
(傷病者の発見から胸骨圧迫実施前までの手順)
1.安全の確認
傷病者を発見しても、すぐに傷病者には近づかないで、
まずは自分の安全を守るために、周囲を見渡すことが必要となります。
(二次災害を防ぐためです。)
2.全身の観察
安全の確認後、傷病者に近づき全身の観察を行います。
主に出血がないかを確認します。
あれば、タオルなどで止血しなければいけません。
なければ、「出血等なし」と言います。
3.反応の確認
傷病者の近くで膝をついて、傷病者の肩を軽く叩きながら、大きな声で
「大丈夫ですか?」「聞こえますか?」と声をかける。
言葉を発したり、手で払いのけたり、目を開けたりすれば、反応がありますが、なければ「反応なし」となります。
4.救急車の要請とAEDの確保
反応がない場合、近くに人がいたら、大きな声で「人が倒れています。
誰か来てください」と言います。
人が来たら、「119番通報とAEDの確保」をお願いしますと言います。
もし人がいない場合は、自分で119番通報(スピーカーモードにすれば両手が使えるようになります。)とAEDの確保をする必要があります。
その場合、傷病者を回復体位の形を取らせます。
5.呼吸の確認
反応がない場合、普段通りの呼吸をしているかどうかを判断します。
胸からお腹にかけて10秒以内見て、普段通りの呼吸がなければ、
「普段通りの呼吸なし」と言います。
※しゃくりあげるような呼吸をする人がたまにいますが、
正常な呼吸ではありません。
「死戦期呼吸」と言い、心停止の時に見られるものです。
分からなければ、心停止と判断し、胸骨圧迫を開始してください。
今回はこれで終わります。
明日は、胸骨圧迫と人工呼吸、AEDの使い方についてお話しします。
本日も読んでいただきありがとうございました。