それぞれの日常 #夏の1コマ
夏休み。小学1年生の息子は、月曜日から金曜日、朝から夕方まで小学校の児童クラブで過ごした。
私が在宅勤務のときは、通学路を途中まで一緒に歩く。
住宅と畑の間の道。畑の中に堂々と咲くひまわり。ぴんとした茎、のびやかな花びら。葉は陽の光をたっぷり浴びようと上を向いて。
身体中が生命のかがやきに満ち満ちている。
ひまわりを見ると、他の花よりも人間味を感じる。その顔にあたる部分では、まるまるとしたクマバチが羽音が聞こえてきそうなほどにせわしなく蜜を集めている。
虫好きの息子がいちはやくそれを見つけて、写真を撮って、と私にねだる。
その切り取った1枚。
息子にとっては小学生になって初めての夏。
きっと息子はいつか振り返っても、この出来事を思い出しはしないだろう。
あと何度、一緒に学校に行けるだろうか。息子とこうして歩く暑い暑い夏は、私にとっては永遠を願った夏だった。
ひまわりも、クマバチも、息子も私も。
誰もが命を燃やし、生きながら、あたりまえの日常を過ごしている、この夏の尊さを思う。
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