ファイナンスから観る「同一労働同一賃金」問題
こんにちは #金曜日はカネ曜日
ファイナンス担当のけんたろです。ファイナンス担当といいつつも現在は人事部門でお仕事してます。
今回は人事テーマをファイナンス的に見ていこうと思います!
取り上げるテーマは「同一労働同一賃金」問題について
同一企業内での正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇さをなくすことを目的に法改正など様々な観点で話題になっている本問題ですが、
皆さんはどのように感じていますか?
僕は同一労働同一賃金という点、実は反対です。
例え同一賃金にしたとしても非正規雇用側から観てファイナンシャルリターンが釣り合わない
(=非正規へは同一賃金ではなく割増賃金にしないといけない)と思っています
「正社員=非正規雇用」ではなく、
「正社員<非正規雇用」とすべきと思っています。その背景について触れていきます。
正社員と非正規雇用の現状
正社員と非正規雇用では、報酬という観点で大きく3点で非正規雇用が劣後している点課題だと感じています。
もちろん雇用条件のみで給料の大小は正確に比較し得ないことは重々理解しますが、
それでも厚生労働省のレポートによると2016年時点で年収ベースで1.8倍の差があるようです。
更に正社員には昇格に伴う年収UPなど、昇給機会がたくさんありますが、非正規雇用ではなかなか少ないのも現状です。
そして何よりも非正規雇用労働者は、有期契約であることが多く、企業側の都合によって急な雇い止めのリスクも抱えているんですね。
以上3点を見たときに、非正規雇用では「ハイリスクローリタン」になっている点違和感持たないでしょうか。
過去のnoteでも取り上げましたが、投資の場合、リスクとリターンは釣り合うように市場取引の中で調整され、ハイリスクハイリターンorローリスクローリターンとなると言われています。
ではなぜ「投資」の世界では、これら当たり前に調整されるのに、「労働」の世界ではハイリスクローリターンが起きるのでしょうか
「非正規雇用」が必要な理由
東洋酸素事件(東京高裁昭和54年10月29日判決)にて整理解雇の4要件が示されており、
正社員を容易に解雇することができなくなったのが我が国なんですね。
詳しくは上記のwikiリンクへどうぞ!
一方、業務量は常に一定ではなく企業が真に必要な労働力は常に変動することも事実であり、
一時的に増加する業務量を補うために非正規雇用労働者を宛がうことで正社員の安定雇用と業務量をこなす企業力という点で両立させてきたのが日本の労働市場だと思っています。
容易に解雇できないので、企業からすると恒久的な成長のチャンスがない場合、安易に雇用することに一歩踏み出しづらいですよね。
そんなことで企業の成長を止めてられないので、有期雇用により一時的な業務ピークをヘッジする施策が取られるようになるのは自然の流れだと思います。
一方これって、企業側の雇用リスクを外部に押し付けたとも見えますよね。
つまり非正規の労働者からすると押し付けられたリスク分割高で請求することが必須だと考えております。
ここが冒頭に触れた
「正社員=非正規雇用」ではなく、
「正社員<非正規雇用」とすべきと思っている背景です。
非正規雇用は同一賃金ではなく割増賃金として、正社員よりも高い報酬設定にすべきではないでしょうか。
もちろんそんなことをすると、逆に正社員だった社員のインセンティブが相対的に低下し離職してしまうリスクも増えてしまいます。
これはノーベル経済学賞を取ったコースも論文の中で触れています。
この辺りまで話を掘り下げると、
外部に置き換えられないコア業務をきちんと定めることなど報酬体系の話からもう一歩踏み込んだ議論が必要なテーマになってきたのでそちらは別のnoteで触れていきたいと思います。
最後に
労働力の観点でもファイナンスの知見をもっと取り得れてみたいなと思います!
では来週のnoteもお付き合いいただければ嬉しいです!!
twitterもやってます|note内容気に入っていただけましたらフォローボタンポチってしていただけると励みになります!
けんたろ|コミュニティ運営&人事 @murajuku
noteのシェアや感想をいただけると次回作への励みになります^^しっぽ振って喜びます