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家庭料理の延長にプロの料理はあるのか

料理のプロとアマチュアの違い。真剣に考える方も多いと思う

魯山人さんの著書『料理芝居』にある、「料理屋は家庭料理の芝居」のくだりに出逢ってから、時々に私の姿勢を諭してくれる
料理芝居の中には、良寛は料理屋の料理が嫌いで、それは家庭料理が真心であるのに対して、芝居が下手くそだからだ、ともある

とはいえ私は、家庭料理の発展形がプロの料理と解釈している訳ではなくて、
確かに名俳優の演技は、明らかに作り物の世界を美味しく味わせてくれる。監督スタッフはそれぞれの感性や技術を結集して、作品を聴衆に送り出す。まさにレストラン

私は料理屋に生まれ、芸者さんや日本酒の匂い、洋食の料理人さん、ウエイトレスさんに、事務や雑用のおばちゃんらに囲まれて育った。だから芝居小屋が家庭でもあったのだ

現代は芝居にもいろいろあって、様々なグレード、それぞれの好みも多様である。では一意に本物のプロの料理は何か?
私はどんな場所でいかなる料理を求められても、家庭料理の嬉しさに劣らない喜びを味わっていただけるよう、食材に最高の芝居をさせたい。その思いでキッチンに立つようになった

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