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「お仕事ごっこ」から身につけるべき知識を学ぶ
わたしは、お仕事をはじめて23年が経ちます。お仕事を卒業する定年退職まで、あと20年です。つまり、一生の中でお仕事をする時間の半分が過ぎました。
小学校や中学校のときは、学校で教えてもらう勉強は好きでも嫌いでもありませんでした。でも、みんなが勉強しているから自分も勉強しなきゃって思っていたし、テストで良い点をとると喜んでくれる人がいたから勉強していたように思います。
高校生になると、みんな勉強以外のことに一生懸命でした。そして、テストで良い点をとっても、以前ほど周りの人は喜びませんでした。これまでの「誰かのためにやっていた勉強」からは、だんだんと遠ざかるようになりました。
勉強が楽しいと感じたのは、やりたい仕事が見つかってからです。
わたしは、作業療法士というリハビリの仕事をしています。病気や怪我で不自由になった人たちが元の生活を再び送れるようになるための練習を一緒に行う仕事です。作業療法士になるには、小学校や中学校、高校で習う科目の何倍もの勉強をしなくてはなりません。でも、勉強が楽しくて仕方ありませんでした。
そして今は、リハビリの仕事をする人たちのリーダーの仕事をしています。立派なリーダーになるために、大学院というところに通って毎日夜遅くまで勉強しました。大学院を卒業(修了)した後も、毎日勉強しています。それは、とても楽しいからです。
やりたい仕事が見つかってそのために勉強するというのは、「なぜ勉強するのか?」という理由がわかるということです。勉強する理由がわかれば、どうやって何を勉強したらいいかもはっきりします。そして、わかるたびにやりたい仕事に近づいていく喜びを感じるようになります。つまり、なぜ勉強するのかが分かると、勉強は楽しくなるのです。勉強が好きではない人は、きっと勉強をしながら「なぜ勉強をするのか?」を考えているからなんじゃないかなと思います。
そう考えると、学校では、いろいろなお仕事を知るための「お仕事ごっこ」からはじめてみてはどうかなぁと思います。大人になってやってみたいお仕事が見つかったら、きっと勉強が楽しくなると思います。そして、きっとそのお仕事を楽しむ大人になれると思います。
そんな理由で、「お仕事ごっこ」をたくさんする学校があったらいいなぁと思います。
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