まだリーダーに頼ってるの?
『2020年6月30日にまたここで会おう』
を読んでいる。
瀧本哲史さんは京都大学の客員准教授でエンジェル投資家で教育家で、
「意思決定論」「企業論」「交渉論」を京大で教え、
大教室を立ち見にするほどの圧倒的な人気講師。
2019年6月30日に東京大学で行った講演のあと、
2019年8月10日に夭折した。
本書はその講義録。
一人のカリスマ的なリーダーによって世の中は変わるのか?
理想的な政府によって世の中はよく治まるのか?
アメリカのオバマ大統領の「チェンジ」で人々は熱狂したが、
アメリカはチェンジどころか分断に向かっていった。
ドイツのワイマール共和国が機能しなかったことで、
その結果、ヒトラーのナチス党が台頭した。
日本の民主党政権も同じく。
というような例を上げながら、
「カリスマモデル」を否定する。
強いリーダーを育てるよりも、
世の中を変えそうな人たちをたくさんつくるほうがいいんじゃないか。
その人たちに武器を与えたほうがいいんじゃないか。
そのときの武器とは、教養でありリベラルアーツであり、
リーダーシップである。
それが「武器モデル」。
世の中「正解」があるわけじゃない。
正解がないということは、誰に教えを請うても間違う危険性はあるし、
だとしたら、自分で考えて行動するのが「正しい」やりかた。
教養やリベラルアーツはそのためのもの、
ものを考えるための枠組みであり、
リーダーシップは、考えた上で行動するための型である。
世の中「正解」があるわけじゃない。
正解を探していたら、永遠に道に迷ってしまう。
『2020年6月30日にまたここで会おう』 瀧本哲史 講談社 2020