釜石方言「地図」は「つず」、知事も「つず」
「かまいし歴史學講座」を受講した。
學、に主催者(釜石市郷土資料館)のこだわりを見たのだけれども、
パワポの資料には普通の「学」が。
演者にはその熱意が伝わらなかったのかもしれない。
会場60席ほどの半数以上が埋まっていたけど、
午後2時からの講座とあっておそらくわたし(58歳)が最年少。
「釜石の方言と岩手県郷土教育運動」がテーマ。
小学校の先生たちが、郷土教育の運動を展開した。
昭和10年代、世界恐慌が日本の経済にも影響し、
冷害が続いて食べるものもとぼしく、
岩手の沿岸地域は昭和の大津波でぺしゃんこになった。
そんなときに、小学校の先生たちが立ち上がり、
岩手の歴史、地理、産業、民俗、方言などを調べて記録した。
表紙だけ活字を使い、中はガリ版刷りで製本。
そのほうが安く出版できたから、と。
なぜ小学校の先生たちが?と思う。
教員養成の師範学校は、学費なしで学ぶことができた。
社会に支えられて育てられた自分たちが、
疲弊した社会への恩返しとして奉仕活動した。
ということらしい。
むかしは方言を大切にした。
戦後は方言を駆逐しようとした。
いまは方言がなくなりつつある。
でも、釜石市議会にはまだ方言が残っている。
釜石では「し」が「す」になり、「ち」が「つ」になる。
「地図」は「つず」、知事も「つず」。
ときどきなんてしゃべっているのか、本気でわからないときがある。