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十五夜、まんまるお月さんが根浜海岸の松林を照らしてた。
津波にも負けなかった、宝来館前の松の木たち。

10年で、成長したのかもしれない。
したんだろうな。
松の木。

GOTOで一息つけそう、らしい。
いろいろ問題のある制度で、
これからいろいろ問題をぶちまけるGOTOだけど、
身勝手でミクロな視点からすると、
宝来館が存続できそうなので、よかった。

「気持ちがもどってきた」
おかみさんがいっていた。

「生きっぺし!」
2011年に津波に襲われ、
自分自身も津波に巻き込まれ、
生命からがら助けられたが、
失ったものは大きく、
もうダメだと心が折れかかったけれども、
中学生がラグビー合宿に宝来館を使わせてくれと。
身も心も奮い立たせて、旅館を再生させた。

2020年の2月、中国武漢ではものすごいことになって、
日本でも新コロの影響が徐々に出始めていたころ、
おかみさんは、
「震災のときよりも不安が大きい、先が見えない」
いっていた。

やっぱり、2ヶ月の休業を余儀なくされた。
やっぱり、もうダメだと思った。

けど、またラグビーだった。
ワールドカップから1年、あの熱狂を振り返るラグビーのゲームが
ひとつふたつ、男子女子、いろんなカテゴリーのラグビーのゲームが
釜石鵜住居復興スタジアムで行われる。

GOTOもあり、客室が予約で埋まっていく。

「生きっぺし!」
生きるぞ! と。