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部長と役員との意思決定の違いは

ここのところ、企業の人事とか教育部門の人と話をしたり、
昨日は元副社長と現役社長との会食の場に同席したりして、
「ポジションとは」とか、「見えている風景」とかの話題になることがちょいちょいある。

と思っていたら、読んでいる『仕事のアンラーニング』に、
「事業部長が事業統括役員に昇進したとき、どんなアンラーニングが必要か」
という部分に読みあたった。

事業部長は、事業部という王国を支配する王様のような存在。
事業統括役員は、その王様たちをマネジメントする。

「俺が、俺が」、「私が、私が」という自分中心のマインドセットを捨て、会社全体や部下の成功を喜ぶマインドセットへと転換することが求められます。

『仕事のアンラーニング』p115

ここでは、「意思決定」「権限委譲と動機づけ」「情報収集」に分けて、
マネジメントスキルの違いについて説明してあった。(p116~120)

<意思決定>
部長時代は、短期的な視点で、分析的に判断し、自部門の最適解を目指す。
役員になると、長期的な展望で、直感的に判断し、会社全体の最適解を目指す。

<権限委譲と動機づけ>
部長は、「なすべきこと」を指示するスタイル。
役員は、部下を信頼して権限委譲するスタイル。

<情報収集>
部長は、現場情報が自然と直接入ってくる。
役員は、現場のキーパーソンや外部とのネットワークを活用して、間接的に情報収集をする。

若いときからずっとフリーランスのわたしにとって、
部長と役員はこんなに違うんだ、と驚きの発見だった。

ビジネスパーソンみなさんこれ、わかっているのか。
わかってるけどできていないのか。
できているから昇進したのか。

わたしは恥ずかしながら、気がついてませんでした……。


『仕事のアンラーニング』松尾睦 同文館出版 2021年