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あたり前だと思っていたチームのつくり方は、まったく間違っていた

『チームワーキング』という本を読み直した。

立教大学の中原淳さんと田中聡さんの共著で、
データとビジネスケースをもとに、
ワークするチームをどうやってつくるか、
という本。

データによって、「成果の出るチーム」と「成果が出ないチーム」の特徴がわかった。

「成果が出ないチーム」は、
・リーダーがひとり
・一度決めた目標に向かってまっしぐら
・メンバーが役割分担、着実にタスクを遂行する
・「期初」のアクションが重要(目標設定、戦略策定、計画立案、役割分担など)

以上、「成果が出ない」チームね。

はあ?

これ、いままでの「あたり前」だったんじゃないのか。
たとえば、部長だったり課長だったりプロジェクトリーダーがいて、
最初に具体的なゴールを決めて、そのための戦略決めて、
メンバーが役割をきっちり果たしながら、期日まで走り切る。

これはデータによると「成果が出ない」。
ということは、「成果が出ない」ことを一生懸命やっていたのか?

では、「成果の出るチーム」とは?
・チームメンバー全員がリーダー
・目標は想定外に変化するもの
・チーム視点、フィードバックしあう
・「期中」のアクションが重要(目標、役割、課題の見直し)

いってみれば、ゴールにフォーカスするというチームではなく、
プロセスにおける行動だったり変化を重視するチーム。

中原さんは、この「成果の出るチーム」の4条件をPCやスマホのOSと見立てて、
このOSにのっかるアプリはなにか、を示す。
それが、「チームを見つめる3つの視点」というもので、
・チーム視点:チーム全体を俯瞰してみる
・全員リーダー視点:全員参加のリーダーシップ
・動的視点:チームには波がある

さらに、「チームワーキングを生み出す3つの行動原理」もあって、
・Goal Holding(ゴール・ホールディング):目標を握り続ける
・Task Working(タスク・ワーキング):動きながら課題を探し続ける
・Feedbacking(フィードバッキング):すり合わせる、フィードバックし続ける

4つの特徴をもつOSに、3つの視点と3つの行動原理がアプリとして乗っかる。

成果が出ないチームづくりを目指していたのか、
と思うと悲しくなるが、
成果が出るチームづくりは、ワークショップ形式で試してみたい。

(『チームワーキング ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』中原淳、田中聡 日本能率協会マネジメントセンター 2021)