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足踏み脱穀機はすごかった

体験で田植えをする人はたくさんいるだろうし、
同じく体験で稲刈りする人もいる。
一年で田植えと稲刈り、両方する人はどれくらいいるんだろうか。

もちろん、手植えして手刈りする田植えと稲刈り。

わたしは友人たちと毎年田植え稲刈りをする。
これも、田植えと稲刈りの両方とも参加する人は半数ぐらい。
無農薬とか有機農法の場合は、田んぼに雑草が生えてくるから、
田植えと稲刈りの間の「草取り」をしなければならないけど、
草取りをする人となると、とても少ない。

しかも草取りは1回では終わらなく、3回ぐらいやる。
たとえば4月末に田植えしたら、5月中には1回目の草取り。
6月7月にも、となると、ほぼゼロかもしれない。

というわたしも、2年ぐらい前からやっと草取りをフル参加し、
去年から脱穀にも関わるようになった。

今回はコンバインを使って、脱穀した。
コンバインという機械は、稲を刈って脱穀まで一気にしてくれる。

便利だなあ、と思って一通りの作業が終わったあと、
農園主のこうせいさんからコンバインのボディのパネルを外してもらって驚いた。

足踏み脱穀機と同じだった。
足踏み脱穀機は円筒形の扱き胴(こきどう)に逆V字型の針金がついていて、
踏み板を踏むとその扱き胴が回転する。
稲穂を手に持って、穂先を回転する扱き胴に当てて脱穀する。

コンバインにも、その逆V字型の針金がついていた。

コンバインの脱穀する部分。足踏み脱穀機の扱き胴と同じ

さらに、足踏み脱穀機で脱穀したコメ(籾)と夾雑物は、
いったんふるいにかけて大きな藁くずなどと選別し、
それを「唐箕(とうみ)」と呼ばれる風選器にかける。
漏斗にコメ(籾)と細かいわらくずを流し込んで、
内部で風を起こすことによって、重いコメと軽いくずコメと藁くずに分ける。
一番軽い藁くずは吹き飛び、重いコメは排出口から滑り出てくる。

コンバインも同じ原理で、風選をしている。

唐箕は中国からの輸入品だった

つまり、いまは機械で便利になったが、
仕組みや原理は大正時代につくられたものと同じ、ということ。

初めて田植えをしてだいたい20年、
ようやくここまでたどり着いて知れたこと。
大正時代のテクノロジー、むかしの人の知恵ってすごいなあと思った。