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大学4年生女子の「ギャル化計画」

大隈塾ゼミでは「自分のマイプロジェクト」をプレゼンする。
(馬から落ちて落馬する、っていう表現ですね)

ときとして、プロジェクトではないが、自分そのもの、自分とは何か、
自己開示をするゼミ生もいる。

4年生のシンゴは、中学高校のときは「目立ってやれ!」と思って、
実際に学校の中で目立つ存在になっていた。
スポーツ、勉強、音楽、いろんな分野で結果を出し、
学内でのヒーローだった。

一浪して大学に入り、そのまま「目立った自分」になろうとしたが、
なんだか居心地が悪かった。
「自分ってなに?」
いわゆる自分探しが始まった。

紆余曲折あってたどり着いたのは、ラップだった。
心の中の思いを言葉にして歌ってみたら、
今までにない充実感があった。
満たされた。

就職しても、音楽活動は続ける。
音楽は、自分のサードプレイスでもあるから。

2年生のウメは、二浪で早稲田にやってきた。
どうしても早稲田に入りたかった。
「夢叫び」に憧れたから。
赤いふんどしひとつで熱く夢を語るオトコになりたかった。

というのは、夢を支えてもらえなかった経験があるから。

サッカー選手になりたかった。
小さいときからずっと、高校生までずっと、
サッカーに熱中していた。
プロのサッカー選手になりたかったから。
でも、両親は大反対した。
「現実を見ろ」といわれた。
「あなたの将来のためにいってるのよ」といわれた。
そのとき、赤いふんどしのオトコたちを見た。

もう、早稲田大学しかないと心に決め、
勉強に勉強を、勉強の上に勉強を重ね、
2年かかったが、無事に第一の夢を実現させた。

つぎは、夢を叫ぶだけじゃない、と思った。
自分の夢を語り、仲間の夢を支え、他人の夢に共感する。
そういう表現者になろうと再び決心し、
大隈塾の門を叩いた。

スーミンも4年生。指定校推薦で入学した。
だから、一般入試で入った学生たちより、学力が劣ると思っていた。
劣っていたまま成績が振るわないと、高校の指定校が取り消される、
指定が取り消されると高校の後輩たちに迷惑がかかる。
大学に入ってから、勉強の上に勉強を重ねた。
(それはそれでとてもふつうのコトなんだけど)
だけど、毎日が「流れていくような」感覚がずっとあった。
なんか、自分がどこにもいない、気がした。

コロナになって、自室に閉じこもるしかなくなって、
ネットで音楽ばかり聴いていた。
ずっと聴いていたら、励まされている自分に気がついた。
音楽で、歌で、支えられている自分をメタ認知して、
アーティストたちの表現するちからに感動した。。

アートは困ってる人、迷ってる人を支える。
アートは不要不急なものではない、
と思って、エンタメの会社に就活のターゲットを絞り、
みごとに希望通りの会社から内定をもらった。

いまスーミンは、「すーみんギャル化計画」を実行している。

以前、カフェでアルバイトをしていたら、
お客さんからけっこうな扱いをされることが続いた。
オラオラ系から見下されていた。
が、髪の毛を金色に染めた。
お客さんからのけっこうな扱いが変わった。
オラオラ系からも「すいませ〜〜ん」と前置きしてオーダーがくるようになった。
自分自身は何ら変わってなく、つねに謙虚な自分であったが、
金髪にしてギャル化したら、周囲からの見られ方が変わった。

スーミンは「人は見かけが9割以上だ!」と感じたが、
だからといって、ずっと金髪に頼っていてもしょうがない。
髪の毛を金色に染めるんじゃなくて、
ココロを金髪にするんだ。
と、もっと自分をさらけ出すように、ココロをギャル化することにした。
それが「すーみんギャル化計画」だ。

シンゴもウメもスーミンも、自分の壁に立ち向かっている。
自分自身と闘っている。

ファイトだ!