政権の方針と自分の価値観
昨日の夕方、iPhoneがビクッとしたのでハッとして見てみると、
「岸田首相 荒井首相秘書官を更迭 同性婚をめぐって」
と<NHKニュース 防災>のアプリが知らせてくれた。
秘書官が同性婚、性的少数者について、
「見るのもイヤ」「隣に住むのもイヤ」
といった。
秘書官担当の記者たちとのオフレコでの懇談中での発言ということだが、
それがオモテに出てるということは、
けっこう同じような発言を繰り返していたのかもしれない。
初めての発言なら、記者も忖度して秘書官をたしなめたりスルーしたりするだろうが、
こう何度もいわれるとさすがに堪忍袋の緒が切れた、
ということではないだろうか。
1回だろうが100回だろうが、変わりはしないけど。
首相はすぐに秘書官を更迭したが、
更迭の理由は、
「政権の方針とまったく相容れない」
と。
正しい。
岸田政権は、「多様性のある包摂社会」を目指している。
多様性=ダイバーシティ、包摂=インクルージョン
いろんな価値観の人たちがいて、社会全体がそれを包み込む。
だから、「見るのもイヤ」「隣に住むのもイヤ」という価値観では、
政権の方針とはまったく合わないから、辞めてもらうのがいいかも。
政権の方針とはまったく合わないが、
首相の価値観とはそれなりに合っている。
首相は、2月1日の予算委員会で、
野党議員から同性婚の法制度について質問され、
「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」
として、
「社会全体の雰囲気にしっかりと思いを巡らせた上で」
「判断することが大事だ」
と否定した。
性的少数者を差別し、ジェンダー平等を否定する議員を、
総務省の政務官という内閣の一員にインクルージョンし、
世論が沸騰しても首相が更迭しなかったのは、昨年末、
たったひと月前のことだ。
首相もつまり、
「見るのもイヤ」「隣に住むのもイヤ」
なのである。
ならば、首相の価値観は政権の方針とは相容れない。