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どじょうすくいは幸せのつながり

どじょうすくいを踊る女将さん。

嫁いだ先は旅館だった。
でも、お客さんはこない、収入は乏しい。
自分にやれること、「まずは旅館の存在を知ってもらうこと」。
がむしゃらにブログを書いてきた。
2003年からブログ、そしてSNSが普及してからは、
twitterr、facebook、instagram、いろんなSNSを使って発信した。
テレビやラジオの番組に取り上げてもらえるように、
番組に合わせた企画書も書いて届けた。

島根県安来市にある「竹葉」という旅館。
日本庭園で有名な足立美術館に隣接している。
女将さん繁盛記のほかに、美術館情報もせっせとブログに書いた。

女将さんの小幡美香さんは、「女将=オンナの将軍」、
戦う職業だと自認した。
新しい武器で、戦略と戦術を駆使して戦う。
新しい武器はSNS、戦術は地元の文化財「安来節=どじょうすくい」を自ら踊って、
自分の旅館だけではなく地域全体をプロデュースする戦略。

雑誌にたびたび「美人女将」として取り上げられる容貌と、
どじょうすくいのコスプレとのギャップがウケて、
時間はかかったけれども、知名度ともに業績もぐんぐん上がっていった。

女将さんは、戦略の基本を「守破離」においた。
日本の芸事の基本でもある。
守:伝統を受け継いでいく
破:現代に合わないものは切り捨てて
離:工夫をして型を越える
これに「創:地域をプロデュースする」を加えた。

っという「どじょうすくいの女将の自社も地域も元気になるセミナー」は、
軽妙な語りに爆笑に次ぐ爆勝、あっという間に60分。
「どじょうすくいの三奥義」というのがあるそうで、
・笑顔
・低い姿勢
・あなたが大好き!

恥ずかしがったりしかめっ面ではファニーな踊りを踊れない、
膝を曲げ腰を落とさないとどじょうはすくえない、
愛がなければ踊りの真意は伝わらない。
ので、笑顔・低姿勢・アイシテルの「三奥義」。

これは「幸せのメカニズム」(前野隆司さん)の「幸せの4因子」、
・ありがとう!
・やってみよう!
・なんとかなる!
・自分らしく!
に通じるじゃないか!と直感した。

女将さんはもうひとつ、商売繁盛のコツを
「縁で縁がつながる」
といった。
同業者とはシェア競争ではなく、お客さんを奪い合うのではなく、
つながり合い、支え合い、助け合い、笑い合う。
「そしたら、円で円が回っていくんですよ」
と。

どじょうすくいは、観ている人も踊っている人も幸せにする。