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たくさんのたくさんの静寂
静かな集会だった。
1995年1月17日、阪神淡路大震災から30年。
三宮の公園に集まった人とたちは、ただただ黙って、
手を合わせるでもなく、目を閉じるでもなく、
一人で、親子で、友だちと一緒に、
灯る紙燈籠のあかりをじっと見つめて、
黙ってそこにたたずんでいた。
「祈ることは、亡くなった方に心を寄り添わせること」
宝来館のおかみさんがしばらく前にいっていた。
今年の1.17集会のテーマは「よりそう」だった。
能登によりそう、東北によりそう、熊本によりそう、広島に新潟に。
黙祷のときだけではなく、静かに共にいられることはできるのだ、
と思うと感動だった。
こんなにも静かに、こんなにも心を寄せて。
何人いるんだろうと、そのときは知らなかった。
1万1000人だった。