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ちょっと抱っこしただけなのに……

はっぴぃすぷりんぐ

なんでしょ、この不思議な語感。
脱力系で、やわらかい感じ。

なんだけど、会場は大賑わいだった。
TETTOのBホールは、ガラスの仕切り壁を全開にすれば、
外の広場とつながってすごく開放感がある。

ホールの中ではいろんなワークショップやゲームがあり、
外ではキッチンカーが出てるし、
ポップコーンとわたあめをかまいしこども園の先生たちがつくってお振る舞いをしている。
風が強くてポップコーンもわたあめも飛ばされそう〜と笑っていた。

最近釜石でのイベントにはポップコーンのお振る舞いが多い気がする

それにしても、知り合いがたくさんお子さん連れで参加してて、
あの人にも会えたしこの人にも会えた。
市議会議員になっていなければ、こんなに知り合いは増えてないだろう。
ありがたいことだ。
この子どもたちが楽しく育っていける街にしないといけないなあ、
と思いながら、手形足形アートの赤ちゃんを動画で撮っていた。
(ちゃんとママから許可はいただいております)

足の裏はやっぱりくすぐったいのか、指が全開だった

そしたら、移住前からの友だちイシクラちゃんが
「むらさんむらさんちょっとちょっと手伝ってください」
って抱いてた赤ちゃん手渡されて、
「上の子がどっかいっちゃったんで探していきます!!!」
ってあわあわして駆け出していった。

参っちゃったなあ。
腕の中にいる赤ちゃん、こないだ抱っこしたらすぐにギャン泣きしたんだよなあ。
……とびびっていたら、今回はまったく大丈夫だった。
まったく、まったく大丈夫。
笑ってくれさえしてくれそうな感じもした(けど、勘違い、思い込みだろうな)。

イシクラちゃんは、数分で戻ってきた。
長男ちゃんの手を引いて。
わたしの至福の時間も、ここで終わり。

でも、想定外のことが起こった。
「ありがとうございます。ありがとうございます。すごく助かりました!!」
とイシクラちゃんはわたしに大感謝してくれる。

ええ! ちょっと手伝っただけなのに。
手伝ったともいえなくくらい、抱っこしてただけなのに。
それなのに、そんなにありがたいのか。
母親って、どんだけがんばってるんだ。
母親であることって、どんだけ大変なんだ。

そう思った。

それで、ハーブティのコーナーにいって、
エリさんが淹れてくれたハーブティを飲みながら、
エリさんの話を聞いていた。

あたまスッキリ系のハーブティをブレンドしてもらった

「子どもの一時預かりがわかるような仕組みにならないですか?」
今日はどこそこのこども園が一時預かりやってます、
いまどこそこのこども園は満員になりました、
明日はどこそこのこども園が一時預かり担当です……。
などなど、オンタイム情報で知ることができるサービス。
それは「Hug♡me by母子モ」ってアプリがあるし、
釜石市の公式LINEもある。
そこにちょこちょとっとプログラムすればいいだけの話だろうけど、
なんでそうしたライブでの情報が欲しいのか、というと。

子育てをしてて、上の子がいて下の子もいて、
いろんなことがあって「もうムリ!」と思う瞬間がある。
そういうときに、一時的に子どもを預かってほしい。
どっちかが風邪引いたとかケガをしたとか、
突発的なことが起こって、一時的に子どもを預かってほしい。

そんなときに、施設に電話をして、
「ムリです」
といわれたら、すでにこっちもムリ状態にあるのに、
さらに追い打ちをかけられて、「さらにムリ!!!」となる。

「電話して断られるの、しんどいんです」
ため息交じりでエリさんはいう。

「もうムリ!」ってときが、母親にはあるのか。
そんなことも知らないまま、わたしはこれまで生きてきたのか。

ちょっと抱っこしてあげただけで感謝されるんだから、
「もうムリ!」ってのはきっと、頻繁にあるんだろうな。

恥ずかしくなってくるが、
「もうムリ!」って人がいなくなる街にしていかないと、
と強く思った「はっぴぃすぷりんぐ」だった。

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