仕事に「好き」が入ってきた
「勢いで描いたけど二度と掛けない 御朱印墨絵展」
にいってきた。
釜石市にある日高寺(にっこうじ)。
ご住職の菊池錬城さんは、子どものころから絵が好きで、
お寺さんだからゼイタクしちゃいけない、と、おもちゃを買ってもらえなかったから、絵に描いてそれで満足しなければいけなかったのか、
それともただ単に絵が好きだったのか。
新聞の折込チラシの裏紙に描いていた、
とあるから、前者っぽい気もする。
錬城さん1977年生まれだから、高度成長期。
絵が好きならスケッチブックもそれほど手に入りにくくはなかったはずだし。
東京の立正大学へいって、実家のお寺に入る。
そしたらやがて、御朱印ブーム。
御朱印帳を持って旅先のお寺や神社で御朱印をいただく人がたくさん。
「好き」を仕事にはできなかったが、
仕事に「好き」が入ってきた。
でも御朱印は、絵でなくてもいい。
むしろ絵を描くほうが少数派なんじゃないかと思う。
絵にしたことがユニークで、他のお寺との差別化であり、
うわさやニュースで見たマニアたちが全国からやってくるようになる。
正しい選択肢を選んだわけではなく、
選んだ選択肢を正解にした。
それは、絵を描くことをやめてなかったからできたことであり、
お坊さんになったあとから御朱印ブームになって自分の実力が生かされるということは、ただの偶然ではなく、「準備された偶然性」つまり、「プランドハプンスタンス理論」なのである。
ということを思いながら、御朱印展で墨絵を眺めていた。
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