エコロジカルで農的デザイン経営のライフスタイル
鶴岡市のSEADSという「学校」を取材してきた。
NIPPON TABERU TIMESといっしょに。
SEADSは「鶴岡市立農業経営者育成学校」のことで、
Shonai Ecological Agri Design Schoolの略。
SEADSは発音すると、「タネ」のseedsと同じになる。
ファームfarmじゃないんだな。
ファーマーfarmerじゃないんだな、ってところが面白かった。
エコロジカルな農的デザインの学校。
2年生のナオキさんに話を聞いた。
2年生といっても、40代後半。
SEADSは、50歳以下で就農の意欲があれば応募する資格がある。
ナオキさんは関西弁でしゃべるからてっきり大阪方面の人だろう、
と思っていたら地元鶴岡の出身。
大学で関西に出て、そのまま30年ぐらい関西でサラリーマン生活をしていた。
なので、Uターンということになる。
なぜ?
もちろん農業に興味があったということもあるが、
「釣りが好きだったから」
海も近いし山も近いし、渓流釣りではヤマメが穫れる。
「ほぼ毎日、釣りに行ってます」
という生活は、
「ほぼ想像通り、いいことも悪いことも」
いいことは、いろんな人たちとの協力体制にあること。
地元の農家さんによる日々の指導をベースに、
市役所、JA、山形大学、東北芸術工科大学、鶴岡高専、庄内農業学校、運営母体のヤマガタデザイン、が協力体制をとっている。
座学研修もあるが、大半は実践研修なので、
「自分のペースで研修が受けられる」
ナオキさんの場合、5時から研修を始めて、昼過ぎには終わる。
そのあとはさらに農作業をするか、釣りに行く。
悪いところは?
「頼りっきりになってしまうこともありますね」
ナオキさんは、会社員として経営やコンサルタント業務も体験してきた。
「研修が終わって就農すると、個人事業主になります。
協力体制がちゃんとできてて、頼るところもしっかりあって、
しかし逆に、これでちゃんと独り立ちして稼げる農家になれるのか。
個人事業主になる不安はありますね」
会社に守られたビジネス、研修生を経て、
自律した農業経営者になれるのかどうか。
たしかに、月金で働いて、土日は農家へアルバイトにいって、
毎日趣味に勤しむ、というライフスタイルはできないかもしれないけれども、
地に足つけた、肉体的にも知的にも汗をかいて仕事をする農業経営者、というのは、
まもなく50代というライフステージとしても、新しい働き方なのではないか。
エコロジカルで農的デザイン経営のライフスタイル。
(SEADSについては、NIPPON TABERU TIMESが後日レポートします)