その人が見えているものが現実で、それぞれ現実が違っている。だから互いにすり合わせる必要があって、そのためには対話が大切
今朝の朝日新聞「論壇時評」で、
津田大介さんが「500学会の抗議 読んで思う」を書いてておもしろい。
菅義偉首相が日本学術会議の新規会員の任命を拒否したことに対して、
500ほどの学会が抗議声明を出し、
津田大介さんはそれらにすべて目を通し、
「切迫感を持つ強度の高い言葉の塊に『論壇』の理想的な姿を見た」
と書いている。
声明を紹介している学会は、
・日本科学史学会
・日本思想史学会
・民主主義科学者協会
・日本女性学会
・女性労働問題研究会
・日本環境教育学会
・日本EU学会
・日本歴史学協会
・イタリア学会
なかでも、イタリア学会の声明は、
古代ローマのカエサルがすでに情報公開制度を始めたこと、
ギリシア悲劇、カフカ、ソルジェニーツィンなどを引用し、
豊な文学的想像力にあふれ、
「流麗な文体で権力と暴力の本質を暴いた」
と津田さんは評した。
ところで、当本人の日本学術会議はどんな声明を出しているのか。
サイトを見てみると、
10月2日に「第25期新規会員任命に関する要望書」を
「内閣総理大臣 菅義偉 殿」あてに出している。
どんなこと書いてるんだろう、とファイルを開いたら
次の2点を要望する。
1. 2020年9月30日付けで山極壽一前会長がお願いしたとおり、推薦した会員候補者が任命されない理由を説明いただきたい。
2. 2020年8月31日付で推薦した会員候補者のうち、任命されていない方について、速やかに任命していただきたい
内容は潔いけど、手渡したときには会長は直接発話して要望してない。
未来志向とかふにふにしたものでお茶を汚していた。
政治家が「仕事してない」みたいにフェイクニュース流していたが、
サイトを見ると、毎日のように提言がでている。
ほかにもいろいろな人たちが発したフェイクニュースのおかげか、
今回の任命拒否を
「妥当だ」とする人は31%
「妥当ではない」が36%
朝日新聞の調べでさえ、これだ。
人は見たいものしか見ない、聞きたいことしか聞かない、
とはよくいわれる。
見えているものが現実で、
それぞれ現実が違っている。
だから互いにすり合わせる必要があって、
そのためには対話が大切だ、
というのが社会構成主義。
どっちが正しいというのではなく、
対話してすり合わせることで解決していけばいいのに。