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東北でもスマートシティをという宝来館のおかみさん

宝来館のおかみさんと、講義の打ち合わせをした。

宝来館は釜石にある旅館で、
2011年の津波に被害が大きかった鵜住居地区にある。
4階建ての旅館は倒壊せず、1階2階は浸水したが、
3階以上はそのまま残った。
おかみさんも津波に飲み込まれたけれども、
奇跡的に陸に打ち上げられた。

大きな不幸のなかで、幸運と幸運が重なり合って、
おかみさんと宝来館は元気に生き続けている。

おかみさんはあれこれあれこれ思いつく。
思いついたら人に語る。
「夢みたいなこというな」という人もあれば、
「それやろうよ」と動き出す人もいる。

ラグビーワールドカップ日本大会での釜石開催、
鵜住居にラグビーのスタジアムをつくる、
という「夢みたいなこと」は、おかみさんの思いつきから始まった。
「ラグビーで復興していこう」

おかみさんは、希望をつくるのが上手で、
希望をつないでいくのも上手。
おかみさんの語りは、「言霊」という言葉がぴったりはまる。
聞いてて感動したり、モチベーションが上がったりする。

おかみさんは、10年目、釜石からどんな発信をしようか、
考えながら毎日を過ごしている。

「ちっちゃな宿だけど、ここで始まることが、
いろんなところに対するモデルになるように。
ものの決め方、前へ向かっての歩き方、
みんなとどんな協力の仕方をすればいいか、
さらに10年後の2030年、20年後の2040年、
東北をどんな地域にしていくのか。

トヨタが富士の裾野にスマートシティをつくるように、
2050年には福島原発の廃炉が終わって、
わたしたちも東北をスマートシティにしていきたい。
そのきっかけの場になるように、
10年目の釜石を考えてます」

だからみなさん、いっしょにやりましょう、と。

いっしょにやりましょう。