昨日はマージナル・カルチャー・ラボ、
略して「マジカルラボ」の3回目。
東北という日本の「周辺地域(マージナル)」のなかで、
さらに三陸地域というマージナルのなかで、
さらに釜石・大槌という人口も少ないマージナルな地域から、
いきいきと活きて、楽しく働いて、しあわせに暮らしていける、
ようなライフスタイルを実践していこう、
というプチ勉強会つき懇親会。
30分ほどプレゼン&質問と答えのやり取り、
移動しての懇親会、というダンドリ。
昨日の懇親会は、釜石で一番新しいカフェ「komehana」。
プレゼンターの伊藤将太さんは、いったん東京で働いて岩手にUターン。
大槌町の地域おこし協力隊の1期生になった。
そして任期3年の協力隊の2年目に起業するという早わざ。
その会社「さともり株式会社」が、
「みらいの里山を共創し守りつなぐ“里山副業産業”をつくる『さともり-里守・里盛-構想』」
というプロジェクトにチャレンジしている。
さともり株式会社のスローガン、ビジョン、ミッション
さともり株式会社のスローガン「好きと生きる」には、
好きなことを仕事にすることで地域を活性化しようと
いう思いが込められている。
「イヤなことを我慢してやるくらいなら、好きなことを仕事にしちゃえ」
というシンプルでパワフルな考え方である。
このスローガンに共感する人々が集まり、
里山を活性化するために力を合わせている。
そうやって、ビジョン「ゆたかな過疎をつく」り、
ミッションである「里山創盛」、里山を盛り上げ、守りつなぐ。
「ゆたかな過疎」、すばらしい。
過疎がしょぼくれているなんてのは、
みんな同じことをしていれば成長できた時代の考え方だ。
だから「ゆたかな過疎」はあり得る。
そのための、里山創盛。
しぜん部門:いわてReファームプロジェクト
自然部門では、耕作放棄地を「いらないもの」から「価値のあるもの」に変える「いわてReファームプロジェクト」を推進中。
このプロジェクトは、荒れ果てた土地を豊かな農地に変える取り組みである。
耕作放棄地を再生することで、農業を通じて地域を活性化し、
持続可能な未来を築いている。
これまで放置されていた土地が、
再び笑顔と収穫で溢れる場所になりつつある。
つなぐ部門:知る、暮らす、働く、つながる
つなぐ部門は、移住・定住を支援し、地域に関わる人口を増やすことを目指している。
ここでのキーワードは「つながる」。
地域の魅力を知ってもらい、実際に暮らし、働き、地域とつながる。
さらには、大槌町という地域を知ってもらうツアーを組んで、
関係人口を増やしている。
大槌町への移住者は20名以上に達し、関係人口は50名以上となった。
これまで「ここには何もない」と思われていた場所が、
今では新しい可能性で溢れている。
つくる部門:プロモーションとブランド化
つくる部門では、地域と企業のブランド化を進めている。
プロモーションやデザイン、PR活動を通じて、
地域の魅力を広く伝え、新しい産業を創出する。
大事なのは、一つの仕事、一つの地域に依存しないこと。
人のネットワークとコミュニティをつなげていくことで、
課題先進地の中山間地域=里山地域から、
「里山複合産業」をつくりだすことだ。
できるまでやればできる
この2年間で、関係人口が50名以上、
大槌町への移住者は20名以上、
新しい企画・事業も10件以上生まれた。
伊藤将太さんには「できるまでやればできる」という信念がある。
人が動く原動力はその人の「想い」であり、
その想いが行動につながる。
行動を見て共感した人たちが集まることで、
結果として地域が活性化される。
伊藤さんは「きっと誰かが見ていてくれる」との思いを胸に、
地域活性化に取り組み続けている。
『さともり-里守・里盛-構想』は、
里山地域から新しい産業を生み出し、
地域を持続可能な形で発展させるための重要なプロジェクトである。
このプロジェクトを通じて、地域と企業が共創し、
新しい未来を築いていくことを目指している。
マージナルな地域の未来は、
「里山複合産業」にかかっているのかもしれない。
それは特別なスーパーヒーロー、カリスマ的リーダーではなく、
地域の普通の人たち一人ひとりがつながり、
「できるまでやればできる」行動することによって、
ゆたかな過疎ができあがっていく未来。