ウズベキスタン mazeliについて
異世界ウズベキスタンから帰国して3日がたった。思い返すごとに鮮やかな光景・体験がよみがえる。旅行といえばやはり食。美味しい食事が必須である。今回は市場で買ったナッツ、そして肉料理のシャシリクがよかった。
日本はグルメの国だと思う。食材が豊富で外国の料理もほどほどな値段で食べられるのため、舌の肥えた人が多い。特に米について我々はうるさい。値上がりしても新米コシヒカリを欲しがるし、古米は避けられる。しかし日本で食べるナッツは古米に近いと感じる。ナッツは歯ごたえが良いとか健康に良さそうなどと我々は言う。それもそうだがサマルカンドで食べたマカデミアナッツやぺカンナッツは、豊かなキャラメルのような香りがして甘味を錯覚させる食べ物だった。昨日お土産として食べてもらった親戚も、これは香料や砂糖をまぶしているのではないかとの感想だった。収穫して時間がたっておらず、殻をむいていないためと考えた。米も精米して時間がたつと風味が落ちる。ナッツは本来、香りでもって人を幻惑し、食事を盛り上げるものなのかもしれない。
美味しいという単語はウズベク語でmazeliマゼリ、まずいはbemazeベマゼ。
この単語は周辺の言語と共通性が高い。たとえばヒンディー語で美味しいはमज़ेदार マゼーダール、ペルシア語ではخوشمزホシュマゼ。マゼは美味、くらいの意味かと思う。ウルドゥー語で幸運(良運)はخوش قسمتホシュキスマト。いらっしゃいませはخوش آمدیدホシュ アーマディード。ホシュマゼなら良と美味がかさなってさらに美味しく見える。
「ベ」については、ヒンディー語でबेकार ベーカールは無用・無能くらいの意味。ほかにबेमतलबベーマトラブなら無意味、 बेरहमベーラハムなら無慈悲、ベがつくとまずいのかと想像がつく。余談だがウルドゥー語でアーマディードは慣用句なので文法的には解釈しにくい。ペルシア語では「来る」の動詞آمدنアーマダンの過去形、二人称複数。「あなた」に敬語を使うために複数にしたものがآمدیدアーマディード。ペルシア語がそのままウルドゥー語に入ったものだろう。
一方、動物の単語は共通性が低いように感じた。ネコはヒンディー語でबिल्लीビッリー、ペルシア語でگربهゴルベ、ウズベク語でmushukムシュク 全く違う。イヌはヒンディー語でकुत्ताクッター、ペルシア語でسگサグ、ウズベク語でitイト。こっちも参考にならない。
地道に覚えるしかない。