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窓開け・花買い・散髪で願望成就! 東洋占術の大家・大石眞行が指南する日常の中の開運法 ~2020年6月

指定の日時に、窓を開ける、花を買って部屋に飾る、髪を切る。
たったこれだけのことで、チャンスが舞い込みやすくなり、金運・財運がアップし、対人関係が円満になるという。
それはなぜか? そもそも「運」とは何か?
東洋占術の第一人者、大石眞行(しんぎょう)氏が、ディープに、かつわかりやすくレクチャーする!

文=大石眞行

「命」は変えられなくとも「運」は人間の力で変えられる

「人が生きる」と書いて、人生といいます。生きるにはふたつのレベルがあります。
 まず、必要最低限の衣食住などを得ることにより生きていられる状態。これが生存です。ふたつめは、この生存の上に立ち、自分の意思を形にできる状態。これが生活です。

 人間の生活は、願望実現の連続といってもよいでしょう。
 受験生ならば、志望校に合格することが願望実現ですね。そのためには何が必要でしょうか。勉強して実力を高める。それは当然、必要不可欠なことです。しかし、それで本当に十分でしょうか? 入学試験の場合、実力的に合格確実といわれた人も、受験前日に事故にあって大けがをしたら、そもそも受験できません。
 そんなことは不可抗力で、本人にはどうしようもないと思いますか? 確かにそうですね。でも、こんなこともあるのが現実なのです。人はこれを「運が悪い」といいます。

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写真=ぱくたそ

 私たち占い師は、この「運」という側面から人生を見ています。より厳密にいえば「命運」です。命運とは、それでひとつの熟語でもありますが、命と運というふたつの言葉の合成でもあります。
 先に置かれている「命」から見てみましょう。
 命はもちろん「いのち」ですが、じつは「いのち」は2番めの意味であり、第一義的には使命の「命」、つまりは「ミッション」という意味なのです。
 中国の天命思想では、人間は生まれてくるときに天から使命と、それを達成できる能力を授かって生まれてくると考えます。これが命運の「命」です。この人間は、ある目的を果たすために、相応の機能を持って生まれてきたという、いわば個人の機能説明書のようなものです。この場合の機能とは、いわゆる才能であり、能力です。したがって命とは、その人の可能性ともいえるでしょう。
 そして、個人が持って生まれた可能性を実現するには「場」が必要なのです。「場」とはTPO、つまり、時間、空間、人です。また、場との出会いを運といいます。場そのものを個人の力で変えることは、なかなか難しいのです。しかし、場との出会い方ならば、われわれ人間にも選択権があるし、演出の仕方も企画の仕方もあります。
 人間には、自由意志と自助努力があります。自分の手でよりよい生き方をつくることができるのです。つまり、持って生まれた可能性である命を自分の手で「運用」「運営」することが運なのです。
 多くの人は、この運を「はこぶ」と読んでしまいます。すると、自分は運命にただ運ばれるだけの存在、私は巡りあわせが悪いから何をやってもダメなんだという宿命論になってしまいます。これは、とんでもない間違いです。
 運とは、狭い意味では時間の流れなので、これを人間の力で変えることはできません。その意味では、人は確かに時間に運ばれるだけの存在でしょう。
 しかし、広い意味では、時間の中での場との出会いを表します。これを開発するのが開運、改善するのが改運なのです。
 人生という時間の流れを充実させるための、時間軸の上に乗せた行動計画。それが運であるといっていいでしょう。

 いったん整理しましょう。

①人間には「命」という先天的な可能性がある。
②その可能性が現実化する条件を「運」という。
③運がよいと、自分に必要な時、人、物事との出会いがある。

 この3つに加え、さらに大事な第4のポイントがあります。

④「命」や「運」は、人間の一挙手一投足というような細部に至るまですべてを縛り、操っているわけではなく、小さな物事には揺らぎがあり、かなりの部分は人間が自由にできる。

 したがって、うまくタイミングをとらえると、普通のときよりはるかに達成がたやすくなる。これが開運である。
 物事が成るか成らないかは、そのこと自体の難易度もありますが、じつはタイミングが大きくかかわっているのです。

 先ほど例に挙げた受験などは、その人が宿命的に絶対、合格できないのではなく、たまたま時期的に難しい運気だったということです。事前にそれを知り、回避すべく注意、用心をすれば、合格できたかもしれません。
 命とは巨大な慣性力のようなものですから、なかなか改変しづらいのです。だから「開命」や「改命」という言葉はほとんど使われません。
 しかし、運は人間の手で変えられるからこそ「開運」「改運」という考え方があるのです。

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写真=ぱくたそ

 本稿では、具体的な開運法として、窓開け、花買い、散髪という3つの方法を紹介します。これによって、日常レベルの物事がスムーズになります。

「窓開け開運法」は、指定された日時に2時間ほど、いつもは閉まっている窓やドアを開けておくことで、新たなよい気を屋内に入れるものです。これは、「天の時」をコントロールする方法です。

「花買い開運法」は、指定された日時に指定された方角から花を買ってきて自宅に飾るもので、方位という「地の気」をコントロールする方法です。

「散髪開運法」は、指定された日に指定された方角で髪を切るもので、自分自身に変化を起こすものです。これは、「人の気」に変化を与える方法です。

 先述したTPOという3つの要素は、中国では天地人、つまり「三才」と呼ばれ、これらが場を構成します。そして、この天地人それぞれに対応する開運法が、窓開け、花買い、散髪の3つなのです。天地人の3方向から自分の場を調整することで、完全なる調和を目指し、死角のない開運法を完成させます。
 さらに、2020年の干支は庚子(かのえね)。天干である庚は更、つまり変更の更であり、大いなる変化が起こるときです。また、地支である子は種子を意味します。つまり、種をまく年です。
 このふたつの組みあわせから、将来への布石として(子)変化を起こす(庚)一年といえます。運気に流されるのではなく、自らの手で開運行動を起こすのに最もふさわしい年です。
 ぜひ、ここでご紹介する開運法を参考に、願望達成に向けてスタートを切ってください。

窓開け・花買い・散髪が天地人のエネルギーを動かす

 窓開け、花買い、散髪という3つの開運法の根本にあるのは気の理論です。
「気」とは、多くの中国占術をはじめ、医学や武術の世界でも使われる普遍的な概念です。使用される分野により微妙に異なる部分がありますが、一般的には、精・気・神の「三宝」にエネルギーを分類します。
 これら3つのうち精は有形エネルギー(物質)、神は無形エネルギー(意識)、その中間に位置し、意識を現実の力に変える媒体が気です。
 窓開け、花買い、散髪による開運法は、こうしたエネルギーの活用法のひとつです。言葉を換えれば、この3つはなんらかのかたちで気をコントロールする技術といえます。

 前項で、気は天地人の三才に分類できると述べました。おさらいしておくと、「天の気」とは時間に影響する気、「地の気」とは空間に影響する気、「人の気」とは人間に影響する気です。

 天の気をコントロールする方法が、窓開け開運法です。時間の流れには、ただ流れていくだけで大きな変化のない通常時間と、時代や季節の変わり目というような、大変化の時間があります。この大変化の気を取り込むことで、自分自身の運の流れを大きく動かそうとするのが窓開け開運法なのです。天の気をコントロールする方法なので、主に仕事運などに代表される、いわゆるチャンスの到来を実現します。

 次に、地の気をコントロールする方法が花買い開運法です。時間に気があるように、空間にも気があります。しかも、その気は、時間の気と同質です。そこで、時間がくるのを待っていられない場合、自分からよき日、よき方位に出かけて、空間の気を取り込み、自分の運気をアップさせるのです。方位という地の気をコントロールする方法なので、本人の自力を高め、基盤を強固にする効果が期待できます。生活における基盤といえば、何といっても経済力です。したがって金運・財運にプラスの作用が得られるでしょう。また、身体的基盤を強くするという意味では、健康増強も期待できそうです。

 さらに、人の気をコントロールする方法が散髪開運法です。われわれ人間は、気のエネルギーによって活動しています。理論のうえでは、気を操作できれば、すべての人間に干渉できるわけですが、他人をコントロールするのは難しいので、自分自身の気を変化させることで開運を図るのです。人の気に変化を与える方法ですので、人間関係の改善や恋愛成就などに効果があります。

 では、具体的な実践方法に入りましょう。
(以下のカレンダーと方角の図は各開運法で使用)

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