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誰でもわかる経営のためのセグメンテーションとターゲティング ユアユニで生涯、学びの道を!WEEK4

こんにちは、「師子吼する」です。ユアユニのWEEK4の講座は経営のためのセグメンテーションとターゲティングについてです。

前の講座で「STP分析」というものが出てきた。STP分析にはセグメンテーションとターゲティングというものがあるが、今までのSTP分析は時代に合わない、新しいSTP分析を正しく理解することで何が変わるか。

・消去法ではないのでビジネスの勝率が上がる。
消去法とはどういうことか、例えば、多くの人がこんな事業をやりたいとか、ここに店を出したいとかとよく考えるが、それはふわっとした感覚で考えてしまっている。感覚で事業をやると手間やコストをたくさんかけて何度も失敗を繰り返してようやく成功するという、ビジネスの成功を消去法で探すようなことになる。そうではなく、ここでこのような事業をやれば成功する可能性が高いと明確にできれば、手間とコストもかけずにビジネスの勝率も上がるのである。

・ビジネスの軌道修正ができる。
竹花氏もかつてYouTuberやインスタグラマーを企業と広告でマッチングさせる事業を行ったが、最初はまったく売れなかった。ビジネスは最初に思っていることとまったく違うことが起こるのが当たり前で、それをどういう風に軌道修正するのかが重要。竹花氏も売れない事業を軌道修正できたのでうまくいくようになった。軌道修正できるということは負けないビジネスができるのである。

・利益の最大化ができる。
ビジネスでは、どれだけ売上を伸ばしたではなく、どれだけ利益を残せたかが大事。正しいセグメントとターゲッティングはこの利益の最大化につながる。

セグメンテーションと変数

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まずセグメンテーションについて、前の講座のおさらいにもなるが、セグメンテーションとは市場を分割することである。旧来のSTP分析では前の講座に出てきた人口動態変数・地理的変数・心理的変数・行動変数の4つの変数に基づいて分割するのだが、竹花氏の考える新しいSTP分析では、4つの変数はセグメンテーションには使わない。極端な例だが、丼物の市場があるとする、ただ丼物の市場いっても牛丼が好きな人、豚丼が好きな人、かつ丼が好きな人、うな丼が好きな人、天丼が好きな人、海鮮丼が好きな人、その他というように丼物市場をニーズによってに分ける。なぜニーズごとに分けないといけないのか、それは最小限の予算で最高の効果を出すためである。事業を始めるには必ず資本金などの予算が必要。丼物市場ですべての人のニーズを満たそうとするとすべて種類の丼物を用意すると予算が莫大になってしまうので資力も大きくないとできない。なので丼物市場を分割して「かつ丼専門店」「豚丼専門店」などをつくり、人の二ーズによって市場を分割してひとつ選んで、それ対する事業を行い、まず事業にかかる予算を最小限にするのである。ただ、分割するといっても10人中のひとりが豚丼が好きだと言うだけで、市場を分割するなどとがむしゃらにニーズごとに分割してよいわけではない。市場を分割するのには確固たる根拠が必要だ。根拠なしに市場を分割すると、そもそも分割した市場が本当に存在するのかもはっきりしないので必ず失敗する。では最小予算で最高の効果を出すにはどうするか、先程も述べたが4つの変数はセグメンテーションには使わず、ターゲティングに使う。ターゲティングもセグメンテーションより先に行い、そのうえでセグメンテーションで市場を分割すれは、根拠のある分割となり、その市場が本当に存在するかどうかもはっきりする。ここで改めて4つのセグメンテーション変数について説明する。

・人口動態変数(デモグラフィック):市場を年齢、性別、家族構成、所得、職業などで分ける。アンケートなどの統計調査で調べる。

・地理的変数(ジオグラフィック):市場を都道府県、市町村などの地域、気候や風土、人口密度など地理的な観点で分ける。暑い沖縄と寒い北海道で市場を分けるのもこの例である。

・心理的変数(サイコグラフィック):市場を個人の好き嫌い、善悪の判断、思想、価値観、ライフスタイルなどの心理的な情報に基づいて分ける。アンケートやヒアリングなどで調べる。最近、若者に昔ながらのレコードが流行っているが、これは新しいものが好きか古いものが好きかという心理的変数で市場を分けている。

・行動変数(ビヘイビアル):例えば、どの店で買うのか、毎日買い物するのか、それとも週数回なのか、誰と買い物にいくのか、1人で行くのか、休日はどう過ごすのかなど、個人の行動で市場を分ける。買い手の製品に対する、知識、態度、反応も行動変数である。

この4つの変数についてもっと詳しく解説する。

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・人口動態変数
地域に老人が多いのか若者が多いのかなど、役所で調べることができる。老人の多い地域にわざわざ、おしゃれなエステなど出したりはしない。老人が多い地域にあるのは整体の店である。世帯、職業、性別、年齢によって店のコンセプトを変えるのが人口動態変数である。

・地理的変数
オフィス街のコンビニに米をおくだろうか、オフィス街のコンビニに米をおいても誰も買わない、米をおいているのは、主に住宅街のコンビニである。あと住宅街に立ち飲み屋などあるだろうか、住宅街に立ち飲み屋があっても誰もいかない、立ち飲み屋があるのはだいたいオフィス街だ。地域に基づいて、コンセプトや品揃えを変えるのが地理的変数である。

・心理的変数
最近、ロハス(LOHAS: Lifestyles of Health and Sustainability)という言葉をよく耳にすると思うが、これは環境や健康を重んじる生活スタイルのことである。このロハスの意識が高く、レジ袋はいらない人、化学農薬を使った野菜を一切使っていないオーガニック料理しか食べない人、動物を殺すのはよくないと考え動物性食品を一切口にしないビーガンなどのベジタリアンの人たちがいるが、これも心理的変数の一つである。この心理的変数に基づいた市場分割が行われ、最近はオーガニックレストランがレストラン市場に多くなっているのである。
心理的変数に関わることでメンタルアカウンティングがある。アメリカの経済学者でノーベル経済学賞受賞者のリチャード・H・セイラー氏が提唱したもので「心の家計簿」ともいわれる。例えば、ギャンブルで儲けた1万円は無駄遣いしてもよいと思うが、苦労してもらった給料の中の1万円は大事に使うといったようなこと、経済学では1万円は1万円の価値で決まっているが、人間は状況次第で同じ1万円でも大事かそうでないかの価値の感じ方が変わる心理が働く。このメンタルアカウンティングを重視したビジネス展開をするのも大事になってくる。

・行動変数
商品やサービスなどに誠実性、信頼性、親近感、おもてなしなどのロイヤリティを重視するのか、それとも利益、便益、恩恵などのベネフィットを求めるのかいうのも行動変数である。たとえば、飲食店に行くときに、店が少々汚くても気にせず、店員の接客にもこだわらず、とにかく料理のうまさを求める人なのか、逆に料理のうまさにはあまりこだわらず、店の清潔感や店員の接客態度のよさを求める人なのか、また他には行かずに1件の飲食店だけ通い続ける人なのか、それともいろんな店を見つけて行く人なのか、このような行動変数にも基づいて市場を分割するのである。

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床屋市場で考えてみる、旧来のSTP分析は市場をまず4つの変数に基づいてセグメンテーションで分割し、ここから消費者にサービスや商品を売るかを選ぶターゲッティングを行うが、これは時代に合わない。新しいSTP分析ではそうではなく市場を分割する前に、先に4つの変数に基づいてターゲティングを分析してから、市場をセグメンテーションでニーズごとに、カット、カラーリング、髭剃り、シャンプー、ヘアセット、ヘッドマッサージ、ヘアカウンセリングなどに分割し、そのターゲティングに合った市場を選択しないといけないと竹花氏は考えている。4つの変数によるターゲッティングは分割した市場を選択する根拠でもあるのだ。しかも旧来のSTP分析ではカットの市場で年齢、性別、所得、地域でさらにターゲティングして絞り込むこと場合もある。市場をターゲティングしてからさらにその市場を年齢などでダーゲティングするのは無駄。だから事業が失敗を繰り返し、ようやく成功するという消去法のようになる。

QBハウスのターゲティング

まず本当にやらなければいけないのは、4つ変数をターゲティングのために仮説を立てて検証するために使うこと。今回の場合は床屋に対する前の講座で述べたような「不満」「不便」「不要」などの「不」も考えて仮説を立ててみる

・世の中には身だしなみの優先度が低く、髪のことを気にせず、ぼさぼさでジェルをつけたりする手入れをしない人、とくに男性でたくさんいる。このような人は髪のことなどどうでもよく、とにかく髪を切っていればよく髪を整えることなど「不要」だと思っている。
・床屋だと髭剃りなどで時間がかる、とにかく早く髪を切るだけでよいという「不満」
・床屋でヘアセットされても自分好みの整髪料でなかったり、頼んでもいない髭剃りなどのサービスを断っても、床屋は代金を割引してくれない。余計なことをせず、髪を切るだけでよいので代金を安くしてほしいという「不満」
・いついつ床屋で髪を切ろうと考えるのではなく、コンビニに行くように突発的に髪を切りたいと思う人もいるが、切りたいと思った時に床屋が近くにないという「不便」

これらの「不」を考えて仮説を立てるが、この仮説の「不」を解決している会社がQBハウスを運営するキュービーネットホールディングスである。

キュービーネットはもともと医療関係の商品を扱う中堅の商社であった。創業者の小西国義氏は出張が多く、出張先で床屋を利用することが多かったが、小西氏も上記で述べた「不」を感じていたことが、QBハウスをつくるきっかけとなる。この「不」の解決のため4つの変数から以下のような仮説が立てられる。(実際に小西氏が仮説を立てたわけではない、)

人口動態変数・・時間がない人であれば仕事の忙しい男性サラリーマンがオフィス街に多いのではないか。

地理的変数・・オフィス街は人が多いので需要があり、しかも床屋は少ないため、競合も少ないのではないか。

心理的変数・・髪を切るのに時間とお金をかけたくない人。オフィス街であれば、例えば、出張やミーティングの準備で忙しいが、髪も切りたい、でも髪を切るなら時間はかけたくないし、髪をきるだけならお金も安くすましたいと思うサラリーマンもいるのではないか。

行動変数・・予約などして計画的に髪を切るのではなく、髪を切るというのが突発的な心理状態である人もいるのではないか。

キュービーネットはこうした4つの仮説を立て、ターゲティングするのは消費者を「男性で身なりをあまり気にしない人やサラリーマン」に決めた。その後で床屋市場をセグメンテーションでニーズごとに分割し、なら上記の仮説を根拠にカット市場ならターゲティング合うと考え選択し、そして仮説を検証するため、カット専門のQBハウスの1号店が1996年に東京都千代田区の神田美土代町というオフィス街につくられた。この仮説は見事に当たり、QBハウスは全国に広がっていった。

もうひとつターゲティングには重要な要素がある。ターゲティングした層とそれに合わせて選んだ市場がちゃんと成り立つのかというのは、その市場は「どこに」あって「誰に」よってつくられ、「誰が」満たしているのかということを考える。この場合「どこに」というのは「エリア」であり「誰に」というの商品やサービスを買ってお金を払う「消費者」であり「誰が」というのは商品やサービスを売ってお金を受け取る「競合」である。この「エリア」「消費者」「競合」の3つを分析するこで、その地域で事業を行って勝てるかをどうかが決まる。STP分析の中に6Rというフレームワークがある。竹花氏はSTP分析は現代には合わないが、この6Rは使うという、6Rはターゲティングして、それに合わせてセグメンテーションで市場を選んだ時に、それらが適切なのかの指標になり、新規事業の立ち上げや事業の軌道修正に重要なものだ。

・Realistic scale(市場規模)
今現在、ターゲティングした消費者の層で自社の商品やサービスにお金を払ってくれ人どのくらいいてそれはおもに誰なのか、そしてその市場はどこにあるのかをはっきりさせる。大きな市場ならよいわけでもなく、大きいと競合が多かったりして不利になることもある。逆に小さな市場のごく限られた層に商品・サービスを供給すれば、競合も少なく、小さな市場で大きなシェアをとり安定した利益を上げられる場合もある。ただ小すぎる市場を選ぶとビジネスすら成立せず、利益も出ない。

・Rate of growth(市場の成長性)
例えば何もないエリアにオフィスビルができる予定であるが、そのビルだけで部屋がたりず、入居できない会社もまだまたくさんあるとなれば、そのエリアは成長性がある市場になる。なのでターゲティングする層とそれに合うセグメンテーションで選んだ市場が小さくても成長が見込めうなら選ぶ。逆に大きい市場でも今後は伸びなかったり、衰退の可能性があるなら避けるが、ただ伸びない市場は、他の条件が良けれ選ぶ余地があったりもする。

・Rival(競合)
ターゲティングした層とそれに合わせてセグメンテーションで選んだ市場で自社のライバルである競合が多いのか少ないのか。もちろん競合が少ない方が有利だが、競合が多くても市場がさらに大きければ、選択できる余地はある。大手の競合がいる場合でも、その大手が持っている地域が偏っていれば、持っていない地域商品・サービスを提供して利益をあげられる場合もある。あと将来、その市場で競合が増えるかどうかも考慮しておかないといけない。

・Rank(優先順位)
ターゲティングした層の消費者にとっての優先度が高いかどうか。自社の商品・サービスが消費者の関心を引けるようなものでないといけない。あと関心の高い商品・サービスを売るだけでなく、ターゲティングした消費者層が顧客となった場合、ネットなどの口コミなどがやりやすく、宣伝波及効果も見込めるのかも考慮する。

・Reach(到達可能性)
地理的に遠い、通信状況が悪いなど自社の商品・サービス、あるいは宣伝がターゲティングした層の消費者に届きずらい場所・環境、自社の商品・サービスに興味を持つ消費者がいない、あるいは自社の商品・サービスとまったく関連性がない場所は選ばないようにすること。先程も出たが、整体の店を出すのに若者が多い地域と老人が多い地域なら老人の多い地域を選ぶのもこの例である。

・Response(測定可能性)
宣伝をした場合の効果、商品・サービスを売った時にターゲティングした顧客の満足度を自社できちんと把握できるのか、あるいは把握できる市場なのか、把握できるのであればその層をターゲティングする。仮にチラシをどんなにまいても、どの地域の人の反応が多かったか、どの年齢層に反応が多かったかなどの効果が把握できないのなら無駄になってしまう。

USJのターゲティング

事業がうまくいかなければターゲティングを見直し、それに合わせてセグメンテーションで選んだ市場の内容を変えたり、必要があれば市場そのものを選びなおし、6Rでそれが適切なのかを考える。ただターゲティングして、セグメンテーションで市場を選んだ場合に6Rの条件にすべてに合うものは少ないため、最低でも、市場規模、市場の成長性、競合の3つだけでも合っていればよい。これからユニバーサル・スタジオ・ジャパンの例でさらに詳しく説明する。

USJは2001年にオープンした。最初の年は入場者数が1100万人にもなったが、2009年には過去最低の700万人台前半にまで落ちこむ。しかしその後V字回復を果たし、コロナ前の2019年には過去最高の1486万人を記録した。廃れていたUFJがV字回復できたのも、ターゲティングをしっかり分析しなおしてから、セグメンテーションで選択した市場の内容を変えることができたからである。

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USJや東京ディズニーリゾートなどのテーマパーク、その他の遊園地はレジャーランドという市場にくくられるだろう。そのレジャーランド市場をセグメンテーションでニーズごとに分割すると

テーマパーク:園内の建物などが特定のテーマで演出されたところで普段と違う非日常を楽しみたい人向け
(西武園ゆうえんち、ディズニーリゾート、サンリオピューロランド、東京サマーランド、レゴランド、志麻スペイン村、東映太秦映画村、USJ、ハウステンボスなど)

絶叫マシン:絶叫マシンに特に力を入れた遊園地で、大変なスリルを味わい、絶叫してストレスを解消したい人向け
(那須ハイランドパーク、富士急ハイランド、ナガシマスパーランド、現在のUSJ、グリーンランド)

アトラクション:怖すぎる絶叫マシンはだめ、でも定番遊園地ではつまらないので、大きな遊園地でたくさんの乗り物などのアトラクション、エンターテイメントショー、イベントを楽しみたい人向け
(那須ハイハンドパーク、ディズニーリゾート、サンリオピューロランド、ナガシマスパーランド、USJ、グリーンランド)

定番遊園地 :近場で普通の文字通りの定番遊園地を楽しみたい人向け
(東京ドームシティ、花やしき、よみうりランド、よこはまコスモワールド、ひらかたパーク、みろくの里など、各地の遊園地)

おもに以上の4つに分けて考えてみる。USJは当初は主に映画に関するテーマパーク市場とアトラクション市場を選び、10代、20代の若者にターゲティングしていたといえる。(今でこそ、USJにはジェットコースターである、ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドやザ・フライング・ダイナソーなどの絶叫マシンがあるが、当初はコースターもなく、絶叫マシンといえばジュラシックパークがあったが、あくまで映画のテーマパークと映画のアトラクションがうりで、絶叫マシンに力を入れているとは言えなかった。)USJは不振の要因を見つけるためターゲティングを分析しなおすと、10代や20代の若者はジュラシックパークやスパイダーマン、ジョーズなどのアトラクションで盛り上がっても飽きが早く、1度来れば満足してしまいリピートしない。それが要因の一つだとわかってきた。そこでUSJは以下の6Rの理由から主にターゲティングを若者だけでなくファミリー層に加えてそちらをメインする方が適切だと考え、選択していたアトラクション市場の内容も若者向けだけでなくファミリー層向けのものを多くしていった。

①Realistic scale(市場規模)
ファミリー層向けのレジャーランドなら市場規模が大きい、なぜなら家庭の母親が1人でUSJに1人でいったりはしない。母親が行くなら、父親も子供も皆ついてくる。これでお金を払う消費者が多いので市場規模も大きいということになる。Realistic scale(市場規模)

②Rival(競合)
USJは大阪にあり、関西圏でもはUSJ以上の大きなファミリー層向けのレジャーランドがない。東京ディズニーランドなど他の地域には大きなレジャーランドもあるが、どこも大阪から距離が遠く、そもそも商圏が違う。競合がいないのも同然で、将来も強力な競合が出てくる可能性も極めて低かった。

③Rate of growth(市場の成長性)
少子高齢化が進む日本でファミリー層の向けのレジャーランドの成長性はあまりないと思われるが、上記のように市場が大きく、競合もいないので成長性の悪さは差し引いてもファミリー層をターゲティングする余地は十分にあった。

④Rank(優先順位)
ファミリー層である家族の意思決定者は主に母親であり、母親がお金の使い方を決めて、父親と子供がそれに従う。なのでUSJは家庭の母親の関心を惹くようなサービスを始めることにした。

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そもそもUSJはファミリー層が大きな弱点であった。背の低い子どもは利用できるアトラクションが少なく、子ども遊ばせる場所もなかった。まずUSJは「ユニバーサルワンダーランド」というハローキティやセサミストリートなどの子供向けのアトラクションを1か所に集中した施設を作り、母親の関心をひき家族連れの集客に力を入れて成果をあげた。また若者へのターゲティングの施策も続けていて、ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドを「バックドロップ」として後ろ向きに走らせたり、園内全体を巨大なお化け屋敷にして、入園客をゾンビが追いまわす「ハロウィーン・ホラーナイト」を実施。これらの施策は資金をかけずに行われたが、若者には当たった。こうした改善策で得られた利益で「ハリーポッター」のアトラクションをつくることができた。またもうひとつセグメンテーションで選んでいた、テーマパーク市場の内容も映画一辺倒ではなく、「進撃の巨人」「美少女戦士セーラームーン」「名探偵コナン」のようなアニメやマンガ、「ドラゴンクエスト」「スーパーマリオブラザーズ」ようなゲームなどの日本のサブカルチャーも取り入れ、若者をますます引きつけた。

USJは現代に合わない古いSTP分析を行い失敗した。そして今度は新しいSTP分析でターゲティングをやりなおし、6Rを考慮してターゲティングを変えて、セグメンテーションで選んだ市場の内容をターゲティングに合わせてV字回復につながった。ハリーポッターをつくって回復したのではない。またUSJが最初から新しいSTP分析で先にファミリー層をメインにターゲティングしていれば最初から失敗しなかったかもしれない。あとテーマパーク市場とアトラクション市場を選んでいると考えられるサンリオピューロランドも不振であったが、UFJとは逆に子どもやファミリー層から若い女性にターゲティングを変えて、選んだ市場の内容も若い女性向けにしてV字回復をしている。(USJもピューロランドも現在のコロナ禍でも奮闘している。)先に出たQBハウスも、最近は床屋や美容室で整えた髪が伸びても、お金などの負担をかけてまた床屋や美容室にいかなくても、安い値段でカットだけすれば髪型が保てることを売りにして「男性で身なりをあまり気にしない人やサラリーマン」から「個性的なヘアスタイルにこだわるおしゃれな人」ターゲティングを変えて軌道修正した。選んでいるカット市場は何も変えてはいないが、コロナ化で売上は減少しているものの、値上げもあったにも関わらずそれほど客離れはおきていないと言われている。

TSP分析

何度も言うが、現代では旧来のSTP分析のように市場を4つの変数に基づいてセグメンテーションで区切ってから、どの市場にターゲティングするか決めるのは時代に合わない。あとターゲティングした市場をさらに年齢などでターゲティングで絞るのは間違っている。正しいSTP分析ができるようになればUSJなどのように事業の軌道修正もうまくできるようになる。またここで簡単な考え方の例を出す。

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最初に出た丼物の市場で、自分の住んでいる地域でどんなコンセプト丼物の店をだすか、最初から4つの変数で市場をセグメンテーションで分けるのではなく、まず4つの変数でターゲティングを分析する。

人口動態変数・・老人、若者、子どもの数のバランスが良くかつ人口が多い

地理的変数・・海が近く漁業が盛んな地域であるが、うなぎはとれない。

心理的変数・・魚がよく食べられるので健康志向の人が多い。

行動変数・・漁は一刻を争う仕事。その関係でせっかちで何をするにも待つのはいやな人が多い。

こうして「老人や若者を問わず、健康志向でせっかちな人」をターゲティングする。それで丼物市場をセグメンテーションしてかつ丼、豚丼、牛丼、うな丼、天丼、海鮮丼などのニーズごとに分割する。この中でターゲティングと一番合いそうなの市場は海鮮丼とする。上記の4つの変数から出した下記の4つの仮説が海鮮丼市場を選んだ根拠となる。

・魚嫌いでなければ老人、若者、子供を問わず食べられるのではないか。
・海に近い地域で漁業が盛んな地域なのでよく魚が食べられる。
・海鮮丼は魚介類を使うのでヘルシーでだろう。
・海鮮丼なら炊いたご飯に具をのせるだけなので作るのに時間もかかららないだろう。

セグメンテーションで「海鮮丼市場」を選択したのが適切なのか6Rで考えれば、

市場規模・・魚嫌いでなければ老人、若者、子供、問わず食べられるので食べる人は多いだろう。家族分も買う人が多いと思われ、そもそも人口も多い。またきれいな海をうりものに町おこしがうまくいっている地域なので、観光客も多く市場規模は大きいと想定できる。

競合・・寿司屋はあるがそんなに多くない、海鮮丼専門の店はまったくなく、今のところ競合はいない。

市場の成長性・・先程あった町おこしがうまくいき、引っ越して来る人や観光客が増えており、市場の成長も見込める。

将来、競合が出てくる場合もあるが、今のところ6Rの条件も悪くないので、まずお金をあまりかけずに、テイクアウト専門など、規模が極めて小さい海鮮丼の店を出して仮説を検証し、検証がうまくいけば、顧客の囲い込みを行い競合の出現に備え、うまくいかなければ、ターゲティングを変えて、6Rを考慮し、必要があればセグメンテーションも選びなおす。

これはあくまでも現代に合ったSTP分析の考え方を説明するための簡単な例で、現実にこんな条件はないし違う考えもあるだろう。この講義のまとめになるが竹花氏の言う現代にあったSTP分析は、セグメンテーションでが先ではなくターゲティングを先に行ってからセグメンテーションを行うので、「STP分析」ではなく「TSP分析」になるのである。

この講義のまとめだが、
①セグメントは市場のそれぞれのニーズで区切る
②ターゲティングはセグメンテーションで分割された市場を選ぶための根拠や要素になるもの、選んだ市場をさらに分割するしたりするものではない。

MUPは今「UR-U(ユアユニ)」というオンラインビジネススクールの一つの学部になっています。ビジネスについて役立つ様々な学部があり、無料体験もありますので、ご興味があればのぞいて見てください。

公式HP:https://www.ur-uni.com/
公式IG:https://www.instagram.com/mup_college/
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCrjIm2uu9IrR5gyst0tH6Ww

それではおまけです

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うちの親父とおかんが500円のいちごを半額250円でゲットだぜ!!
ヽ(*´∀`)ノ
しかし食べるとみずっぽく、まったく味がしない(;´Д`)
なんちゅういちごだ、まあ半額だからしょうがないか、とほほほ(´・ω・`)
でもないよりましなので、すべて食べてしまいました ( ̄▽ ̄;)

こんどはおいしいいちごを食べたい「師子吼する」でした。
ありがとうございました。

2021年7月8日

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