つゆり歩

1993年5月7日生まれ。社会人。 小説を書くことが好きです。公募で賞を取るのを第一の…

つゆり歩

1993年5月7日生まれ。社会人。 小説を書くことが好きです。公募で賞を取るのを第一の目標として現在色々と執筆中。 読み終えた後に心が温かくなる物語を目指しています。

最近の記事

ベトナム日記更新!

こんばんは、20年前のベトナム日記を更新しました。 更新記事はこちらから↓ 20年前ベトナムハノイで過ごした当時の紙の日記帳をデータ化してみた|つゆり歩 (note.com) 4月10日と12日です。11日はありませんでした。 日本人学校は人数がとても少なく私が入った小学5年生の時は10人でした。 私が転入したと思ったら、次の日には一人転校してしまう。 そんなことが日常でした。 せっかく友達になってもすぐに違う場所へ行ってしまうことが多かったです。 女子は今回出て来たあ

    • 20年前ベトナムハノイで過ごした当時の紙の日記帳をデータ化してみた

      2004年 小学校5年生 4月7日 これは、私が小学校5年生から中学1年生の10月までの間のベトナムハノイで過ごしたリアルタイムの日記をデータ化したものです。 敢て当時のものを加筆修正などせずにそのまま載せていますので読みにくい箇所などもあるかと思います。(小学生の為ひらがなが多かったのでそこは漢字に直します) 加筆修正しては面白くない、と思ったのでそのままにしています。 私は、父の仕事の都合で2年半ベトナムの首都ハノイの日本人学校で過ごしました。 日記は、宿題として出て

      • 登場人物紹介

        楠真日那(くすのきまひな) 年齢 22歳 誕生日 8月31日 身長:178cm 家族構成 母 一人称 俺 見た目:ふわふわした髪の毛で短髪。少しオレンジが入った茶色 体系:少し細め 性格 ぼんやりしていてマイペースな性格。困っている人は放っておけない            勉強も家事もそれなりに出来る。友達は碧だけだった 特徴 楽器に触れることでその楽器の気持ちが分かる力を持つ    困っている人に遭遇しやすい 趣味 特に無い 苦手なこと 賑やかな所へ行くこと 好きな食べ

        • 長編小説「金蘭の契り」

          カクヨムにて同ペンネーム、タイトルで投稿していました「金蘭の契り」という長編小説をnoteにも投稿してみます。 あらすじ 舞台はとある田舎町にある楽器修理工房 そこでは、リペアマンという楽器を修理する職人たちが働いている。 主人公真日那の父は、「魔法の手を持つリペアマン」と呼ばれ崇拝されていた。 昔は多くのリペアマンが働いていたが、現在は働く人も来る客も減っていき衰退していっていた。 そんな折、父は病気で亡くなってしまう。 父の腕で成り立っていたような工房だったので、畳

        ベトナム日記更新!

          長編小説「金蘭の契り」最終章 かけがえのない場所

          外は、ここに来る時と比べ物にならないくらいの暴風雨になっていた。早く、工房へ向かいたいのに、なかなか前へ進めない。傘なんて、もはや意味を成していなかった。俺たちは、道中言葉を交わすことなく満員のバスに乗り込んだ。詳しい話しは聞けていない。新庄さんから、工房が大変なんだと電話があっただけ。ゆっくり話している時間も惜しくて、俺はすぐに向かいますと言って電話を切った。状況何て聞かなくても、いつも穏やかな新庄さんが、あんなにも慌てていて、そしてこの天気なら何となく何が起きたのかくらい

          長編小説「金蘭の契り」最終章 かけがえのない場所

          長編小説「金蘭の契り」6章 ほぐれた糸を結び直して

          真日那の気持ち 三月の始めに大学を無事に卒業した。これからは、仕事に集中出来るなと嬉しく思った。四年間通ったこの駅にもう来なくなってしまうと思うと、少し寂しい気持ちにはなるけれど……。今晩は、碧と博くんがお祝いをしてくれるらしい。別に、お祝いなんて良いのにって思ったけれど、三人で過ごす時間は楽しいからお言葉に甘えることにした。 最寄り駅に着くと、既に碧と博くんが改札口前で待っていてくれた。遠目で見る二人は、とても良い雰囲気だ。少し前までなら想像もつかなかった光景だなぁと感

          長編小説「金蘭の契り」6章 ほぐれた糸を結び直して

          長編小説「金蘭の契り」5章 工房への想い

          新庄の想い 「ただいま」  家の玄関を開けて、長い一日がようやく終わった。ここ最近の工房は比較的穏やかで、匠が不調になっていた頃のようなハラハラ感はなかったから、久しぶりに心臓がドキドキした。 「お帰りなさい、大変な一日だったみたいね」  妻の莉子の声を聞くと、とても安心する。家に帰って来られた……とほっとするのだ。 「あぁ、すごくひやひやしたけど二人とも大事にはならなかったから良かったよ」  そう言いながら、僕はソファに腰を下ろした。莉子は、僕の隣に座ってくれた

          長編小説「金蘭の契り」5章 工房への想い

          長編小説「金蘭の契り」4章 変わっていく気持ち

          年が明けた。今年から、俺は正式に恋蛍楽器修理工房の跡継ぎとして責任者となる。それは、とても恐ろしいことだった。本当にこんな若い俺で良いのか、新庄さんの方が安心なのではないか、と言ったけど新庄さんは大丈夫だよ、と言ってくれた。責任を全て押し付けるつもりはないし、これからも皆で協力しながら工房を経営していこう、と。その言葉は、俺を安心させてくれた。 博くんと愛菜さんの件があってから、俺たちを纏う空気は良いものになった。博くんと碧も前ほど喧嘩をしていない。仲良し……とまではまだい

          長編小説「金蘭の契り」4章 変わっていく気持ち

          長編小説「金蘭の契り」3章 あなたに願うこと

          それから、季節は秋になりその間にも様々な楽器を愛する人々と出会った。まだひとり立ちは出来ていなくて、碧についてもらっていたのだけど碧は、やっぱりかっこいいなぁと改めて思った。俺の指導をしながら、自分の仕事もきちんとこなして趣味の時間も大切にしている。工房で働き始めてから、もっと音楽のことを知った方が良いと碧は言ってくれて、コンサートやライブに連れて行ってくれた。初めて行ったのは理人さんの市民吹奏楽団だったのだけど、高校生ぶりに音楽を間近で聞いて心が震えた。かっこよくて、理人さ

          長編小説「金蘭の契り」3章 あなたに願うこと

          長編小説「金蘭の契り」2章 楽器が繋いだ絆

          碧がシフトに入っている日に合わせて、最初のバイトの日を決めた。バイトというものを今までやってこなかったから、少し緊張していた。普通の初めてのバイトよりかは、断然恵まれているのだけど。それでも、緊張しても仕方ないだろう。少し震える手で、工房のドアを開けた。 「おはようございます」  俺が来た頃には、もうほとんどの人が自席に座って、作業を開始していた。どうやら、新庄さんはまだ来ていないみたいだ。 「お、真日那~おはよ! 席、ここだから座って、座って~」  一番奥の席に座っ

          長編小説「金蘭の契り」2章 楽器が繋いだ絆

          長編小説「金蘭の契り」プロローグ~1章

          プロローグ  怖いよ、と泣いていた子どもの声がずっと記憶に残っている。 昔、父が働く「恋蛍楽器修理工房」で見た光景だ。後から聞いた話だが、その子どもは壊れた楽器を直すことが怖かったようだ。 ——恋蛍楽器修理工房、そこは金管楽器を専門とした楽器の修理修復を行う工房で、父はリペアマンという職人だった。とても優れた職人だったから、父の手にかかるとその楽器は、元よりも良すぎる音に変わってしまうのだと噂されていた。それが、楽器を心底愛しているものにとっては、とても恐ろしい行為だっ

          長編小説「金蘭の契り」プロローグ~1章