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GIGAスクール構想について教員の立場でもの申す 4  授業のモンタージュ論

14年前に書いた一人一台の資料 その4


丁度14年前、T21プロジェクトという計画があった。県内の僻地学校をパソコンで繋ぎ、一人一台のパソコンを支給して学習効果を検証するというものだ。
その時、一気に文章を書き上げ、大学の准教授に提出しようとしたが、校長に「生意気だ、大学の先生に失礼だ」と言われ、破棄するよう指示された。
これは、その時に書いた文章の続きである。


タブレットパソコンの研究に向けて、思いついたことを記録する。
2010年10月6日
授業をモンタージュする
学生時代に、ブライアン・デ・パルマ監督の映画『アンタッチャブル』を観たことがある。ラストのシーンで、乳母車が階段を転がり落ちる場面の迫力は今でも鮮明に覚えている。このシーンは、エイゼンシュテイン監督の映画『戦艦ポチョムキン』へのオマージュとして有名で、多くの映画やドラマにも引用されていることを後に知った。
そこで、『戦艦ポチョムキン』に興味を持ち、調べてみると、この作品がモンタージュ手法を確立した映画として評価されていることがわかった。私は二次元的な絵画表現としてのフォトコラージュのイメージしかなかったため、時間軸でシーンを繋ぐ「モンタージュ」という発想に非常に驚かされた。この衝撃的な概念は、私の中で長くくすぶり続けている。
今、授業を組み立てる際、この時間軸でのモンタージュ手法こそが、ICT機器を活用する上での重要なキーワードになるのではないかと考えている。ICT機器の活用は、視覚的な効果を高めることが容易であり、異なる視点を提示することで、多角的な思考を促進する手助けになるからだ。
授業展開においては、ひとつの事象を深く掘り下げる手法や、多角的な視点から広く考えさせる手法が存在する。これらの授業目的に応じて、ICT機器の活用がさらに工夫されていくべきだろう。
1時間の授業の中で、どのように児童に提示する内容をモンタージュするかによって、授業効果に大きな違いが生まれるはずだ。


映画の引用を通して、サブカルチャー的な要素を加えながら、専門性をアピールしようとしたのだろう。当時の意図は正確には思い出せないが、そんな思いがあったのかもしれない。
 
 
今、この授業でのモンタージュ的技法について、研究協議で話をすることがあるが、なかなか伝わらない。授業では、発問による子どもの反応という時系列での話し合いになるからだ。もって、大胆な授業展開におけるICTの関わりを協議していきたいものだ。


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