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道徳科 研究論文 シリーズ1
道徳科についての応募論文に挑戦した話
数年前、道徳科についての応募論文を書いたことがありました。当時は管理職試験になかなか合格できず、どうにかして実績をつくり、研究に向かう中で新たな方向性を提案できるようにしたかったのです。
書き上げた論文を持参し、校長に見せながら応募の許可をお願いしました。しかし、ここで予想外の「待った」がかかりました。
校長曰く、「和歌山県の教育委員会では、個人的な活動に関する論文の提出は控えてほしい」という方針があるとのこと。県主催の研究会での論文は許可されるものの、個人で行うものについては難色を示されるようでした。
とはいえ、幸運にも校長の判断で提出を認めてもらうことができました。
ところが、次に赴任した学校では少し事情が違いました。そこで再び「総合的な学習と地域連携についての論文を書いたのですが、、なんと校長から「応募は禁止だ」という命令が下ったのです。
このエピソードを通じて、「これが和歌山県の教育事情か」としみじみ感じたものでした。
それでも、論文を書くという行為は、当時の私にとって非常に刺激的で、学びの多い体験でした。たとえ応募に関する制約があったとしても、自分の考えをまとめる過程で道徳教育について深く考え、アイデアを練ることができました。
さて、そんな紆余曲折の末に生まれた「道徳科」の論文を、少々加筆修正しながら、数回に分けてご紹介したいと思います。
教育現場での取り組みや道徳教育への思いを楽しくお伝えできれば幸いです。
研究テーマの設定
本町には、子ども園・小学校・中学校が各一校ずつしかなく、しかも各学年が一クラスです。そのため、子どもたちは同じ教室で同学年として長い間変わらない友達関係を持つことになる。もし人間関係で問題が生じた場合、その問題を長い間持ち続けることになってしまう可能性があります。しかし、温暖な気候や風土の影響か、明るく朗らかな子どもたちが多いため、問題が起きることは少ない傾向にあります。そのため、本校では児童会活動を中心に、挨拶運動や休憩時間に全校児童で遊ぶ集会などを通じて、全校児童がお互いを認め合い、理解し合える雰囲気作りに努めています。
また、幼・小・中学校の連携体制も確立しており、「町教育研究会」を立ち上げ、職員間での情報交換を図るとともに、園児・児童・生徒同士が交流できる取り組みを推進しています。町の行政も学校への協力に積極的であり、特に「地域・保護者と共に歩む教育」を町の方針とし、地域社会と保護者との連携を重視した教育を進めるための支援を行っています。
このような背景を踏まえ、研究の主題を「保護者や地域と連携し、豊かな心を育む教育の推進」としました。具体的な目標としては、「自立し、自主的かつ主体的に生活できる子ども」「自分の考えを持ち、表現し合える子ども」「外で遊ぶことや身体活動が好きで、自身の健康を守り育てていける子ども」を育成することを目指しています。今年度は、さらに具体的な研究を進めるため、子どもたちの心の成長を可視化できる方法を模索し、共通の理解のもとで比較検討を行います。職員全体で合意を得た結果、「特別の教科として道徳教育」を重視し、その授業方法に関する研究を行うことにしました。
また、全職員が明確に理解できるよう、具体的な研究テーマを「自己を見つめ、物事を多面的かつ多角的に考え、自分の生き方について深く考える道徳科の学習方法」と設定し、研究を進めることにしました。
書き出しは以上の通りです。
明日から内容について紹介していきます。