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大豆ってすごくないですか?

 みなさま、こんにちは。自然農法無の会の上野です。

 無の会では、収穫が終わった作物から、その収量や品質をもとに栽培の振り返り会を行っています。
 先日11月16日に大豆を収穫し、振り返り会の準備をしていました。そこでいまさら気がついたのですが、大豆ってすごくないですか?笑

 ご存知のように、味噌や醤油といった調味料は大豆が原料ですし、僕は知らなかったのですがサラダ油の主要な原料の一つも大豆です。朝ごはんに欠かせない納豆や、お豆腐ももちろんそうで、日本の食卓に絶対不可欠な存在と言えるでしょう。みんな大好きビールのアテ「枝豆」も、これは実は登熟前の大豆です。

 大豆は貴重な植物性タンパク源でもあります。食品加工技術が進歩した現代では「大豆ミート」なる食材も手に入り、文字通り「畑の肉」の異名を欲しいままにしています。実はこれ、大豆の栄養補給の仕方に由来しているってご存知でしたか?
 タンパク質を合成するためには窒素が必要です。窒素は気体として空気の78%を占め、豊富にあるように思われますが、植物は空気中の窒素を自力で利用することができません。そのため、こと栽培においては、一般的に化学肥料として窒素を与える方法がとられています。無の会では、堆肥に含まれる有機物由来の窒素を利用しているわけです。
 一方大豆は、「根粒菌」という微生物と共生しており、根粒菌に糖分などの栄養を与える代わりに、根粒菌が空気中から取り込んだ窒素 (この現象を窒素固定といいます) を受け取っています。このような特性を持ち合わせているからこそ、豊富なタンパク質を含んだ大豆を実らせることができるのです。


無の会で実験した大豆の不耕起栽培
不耕起栽培についてはまた詳しく特集します!

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 こんなすごい大豆が、いま、ヤバいんです。
 無の会では、今年の大豆の収量が約10分の1にまで落ち込みました。主な原因は水不足です。会津の僕らの大豆畑では、今年の7月~8月、ほとんど雨が降りませんでした。この時期、大豆は開花し、実を大きくする時期で、大量の水を必要とします。その大事なタイミングで水が一切なかったわけです。全国的な生産量の公表はまだないみたいですが、記録的な猛暑・干ばつでお米の等級が大打撃を受けたニュースが舞い込んでおり、見通しは明るくないでしょう。


無の会で収穫後の大豆
地際に実をつけるとコンバインで刈りきれず、悲しいことになる

 そもそも大豆は、国内自給率が7%で低空飛行しているのですが、輸入大豆も手に入るかどうか定かではありません。今日のニュースで、世界第3位の大豆生産国であるアルゼンチンで、穀物取引がストップしているという話を知りました。日本は、アルゼンチンから直接大豆を買っている割合は小さいようですが、世界的な供給量の減少は必ず価格に影響します。

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 そんなわけで、我々の食卓に欠かせない大豆がヤバいお話でした。無の会では、例年自分たちの育てた大豆で味噌づくりをしています。来年は地域の納豆屋さんと組んで、納豆のネット販売も始めるつもりでした。しかし、10分の1の収穫では、どちらもどれだけ作ることができるか分かりません。
 ここまで極端な減収が起きてしまうと、もはや「天災」と割り切らざるを得ないです。それでもやはり、「自分たちの手で必要なものを作り続けること」「栽培技術を少しでも高める努力をすること」をやめる言い訳にはなりません。
 頑張りますんで応援、どうぞよろしくお願いします!

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