下北沢K2『響け!情熱のムリダンガム』再上映振り返り
2月15日(木)、K2での1週間限定の再上映が終わりました。来てくださった皆様、来られなくても周知にご協力いただいた皆様、上映してくださった劇場や関係者の皆様、ありがとうございました!
これにて、2023年9月からの半年に渡る東京「再」上映も一区切り。
2022年10月〜12月に東京3ヶ所で上映され、その後は映画の中で旅した主人公・ピーターのように全国のミニシアターを巡回していた『響け!情熱のムリダンガム』。「東京での上映はもうないのか」という空気を破り、再びピーターが東京の劇場に戻ってきたのは、昨年9月の「Perer Barakan's Music Film Festival 2023」(PBMFF)。(あのピーター・バラカンさんが直々にピーターを選んでくださって、感激でした!)
8ヶ月ぶりの東京に凱旋したピーターは熱狂的に迎えられ、200人を超すキャパの映画祭会場・角川シネマ有楽町が満席にもなりました。10月Cinema Chupki Tabata、11月シアター・イメージフォーラムで再上映が続き、さらにCinema Chupki Tabataで12月に再々上映。途中11月にドリパス上映や、パンフレット執筆者でもある井生明さんが招聘した南インド古典音楽アーティストの来日公演ツアーもありました。1月には「池袋みらい国際映画祭」にお呼ばれし、2月のK2でした。
東京はひとまず上映終了だけれど、来週の3連休からは、群馬県の高崎電気館「インド映画特集2024」で上映。広島県のシネマ尾道でも3月3日から1週間上映。
しばし休憩の今、K2のことを振り返ってみたいと思います。
再上映ながら、前回の上映の(週平均)動員数を上回った
前回のK2での上映は、2022年12月2日~15日の2週間でした。1年2ヶ月ぶりに戻ってきたことになります。
封切りされたばかりの映画や全国的な話題作に挟まれての、今回の再上映。(『復讐のワサビ』の封切りに合わせて、インドつながりでお呼びいただきました。他に『アメリ』リマスター版とか、私も大好きなアキ・カウリスマキ監督カムバック作『枯れ葉』などと一緒に、1スクリーンのK2で上映されたわけです。)
日によって上映時間が変わるK2ですが、7回の上映のうち割り当てられたのは20:50スタートのレイトショーが実に4回。
コロナ情勢後、こんな時間から上映するミニシアターもあまり見かけなくなった気がします。現在この時間の設定ができるのは、映画館として頼もしいのかも。(とはいえ、その時刻から2時間超の映画を観る、って気合いいるよね;;;)
レイト枠はそんなに動員を期待もされていないだろうから気楽よね、再上映してもらえてラッキーだし!
ゼロの日も出るかもと覚悟もしたり、いやいやそれは食い止めるぞーと心がけて発信をしてみたりしました。
けれども本当におかげさまで、ゼロの日(回)は免れ、前回の最低人数の回を下回ることもなく、前回の最高人数の回よりも上回った回さえありました。
そして、1週間のトータルも、前回の上映の1週間平均動員数の1.5倍! 終わってみたら、地味にすごいじゃないか〜!
ピーターと映画が地方巡業をして、大きくなって帰ってきたことを、また改めてしみじみと実感しました。
サントラCD完売
入荷が不安定で、入荷してもすぐ売れ切れになっていた輸入盤のサントラCDですが、今回30枚確保してK2に預けていました。観にきてくれたお客様が高確率でお買い求めになってくださり、完売御礼です。
初めましての皆さんの回
3連休初日の土曜日は、レイトショーとはいえ1桁のお客様という成績。3連休中毎日こんな成績だとメンタルくるなあ…。
淡々と受け止めることも必要だ、でもピーターの音楽をスクリーンで届けることをあきらめたらいかん!と適宜SNSやnote、クラファン参加者へのお久しぶりupate投稿など、あがきつづけました。
そして迎えた、私が単体で舞台挨拶する日ですがやはり予約の出足は決してよくなかった翌日曜日15:30~の回。前日からじわじわとお客様が増えて、上映前にはほぼ満席に。ありがとうございますっ!!!!!
しかも驚いたことに、投稿に反応してくれたリピーター鑑賞の方が多いのかと思っていたら、トーク冒頭でアンケートをとってみると「初めまして」な1回目のお客様が9割だったのです。↓
この日はピーターの推し「ヴィジャイ」の映画が都内の別の劇場で、特別上映されていました。時間が割と被ってることだし、ムリダンガムにお客さんが来るのはキビシイかも…と思っていたのに、それと関係ない(ヴィジャイを知らない・観たことない)お客様がたくさんいらしたのです。しかも大半が『RRR』も観たことがないという。要するに、まだインド映画を観たことがないor見慣れないお客様が多い回になりました。
この1年くらいは『RRR』を観たことでムリダンガムに興味を持って観にきました、というお客様のコメントを聞くことが多かったのです。それが真逆の方たちがたくさん来てくれたのは嬉しい大誤算。(広告費をかけていない口コミSNS頼りの展開の中、どうやってこの映画を知ってくれたのだろう!? 12月の朝日新聞掲載からだいぶ日にちも経っているし)トークも楽しそうに聞いてくださっていたし…。
でも、まだまだムリダンガムを、新しい人たちに届けられるかもしれない。勇気が湧きました!
リピーターさんだらけの回
翌12日、3連休のラスト16:40~の回。井生明さんがトークゲスト。(Cinema Chupki Tabata上映時に彼が来てくれた時は、キャンセル待ちもたくさん出る人気でした。)
お客様もリピーターが大半で、前の日とは違った雰囲気の和気藹々さの中で、あきらじーの南インド古典音楽ばなしが炸裂しました。
あきらじーの招聘で、8月に映画出演した4人のミュージシャンが来日公演しますからね!時々彼からの最新情報をチェックしてくださいね!↓
しみじみと一人で映画の世界に没入するレイトショー回
上記2日間の大盛況の後は、残り3日が全て20:50スタートで終了が23時をまわるレイトショー。でも連日お客様が土曜日のレイトよりも多く来てくれました。
実は東京の他劇場での再上映では、夜上映がなかったのです。封切り時に夜よりも昼の方が明らかに成績がよかったこともあってか、そうなりました。一方で夜上映があれば行けたのに…というお声も少しはありました。
だから、今回夜上映があること自体はよかったです。座席がごったがえすことはまずない時間帯に、1日の終わりに静かにスクリーンに没頭するって、いまどき贅沢ですよね。しかも、感情を揺さぶられた後には心が浄化される人が続出の、『響け!情熱のムリダンガム』だもの。
最終日、私も一般のお客さんとして、観に行っちゃいました。みんなひとり。女性のお客様も多く。
駅近で(終わったら1分以内に改札まで行くことも可能!)、新しい施設で座席シートもふかふかで。
やっぱりいいじゃん、たまにはレイトショーで映画鑑賞。
既に10回以上ムリダンガムを観たお客様も何人か、最終日を見届けに来てくれたみたい。ピーターは、この映画は、本当に幸せ者だなあ。
これまでの東京再上映期間中のトークの内容は、また追々、何かの形でアーカイブ化していけたらと思っています。もっと、この映画のことやこの映画を応援してお話してくれた方々のことを記録して、紹介していきたいですしね。
この半年も、まだまだこの映画の前提として新しく知る情報や新しく気づく映画解釈がありました。
まだまだまだまだ、この映画を味わっていきたい、分かち合っていきたい。そんなこんなで「推し活」配給は続く。
(この1週間中は、東京ドームのクイーン+アダム・ランバート公演も行ったし、アゲアゲでした。当日券買うのに1時間並んだけど、買えるかどうか、席はどこだとかスリルありましたね。笑)