霞を食べる

「仙人みたいに生きることが出来ればいいのに」
君が行った。
想像の中の僕らは
人里離れた森の奥の小さな小屋で、ひっそり隠居している。

ハンモックに揺られてお昼寝してみちゃったり。
木漏れ日の下で読書してみちゃったり。

そうして夜が近づいたら、空に綺麗なグラデーションを描いてみたり、虹色の霞を集めて星を作る。澄んだ湖に作った星を浮かべて空に反射させて。薄明かりの中で僕らは笑っている。
そうして朝を迎えたら湖に浮かべた星を集めてひとつにして朝日へと変えて。
余った星でジャムを作るんだ。こんがりと焼けたパンに星ジャムを塗った朝ごはん。

ふと小屋の外に目をやると、鳥が必死に星のカケラを啄んでいた。



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