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それでも長く生きていると、音楽の壁が突然壊れる瞬間がある

自分とはいつのまにか遠い存在になっている曲があって、そして気がつくと、まあまあな壁が出来上がっているってこと、僕は、よくある。

僕自身は44歳なので「33歳から新しい音楽を聴かなくなり、35歳を超えると音楽自体を聴かなくなる」だとか「音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている」といった記事にもある通りだし、だけど音楽業界に17年も在籍させてもらえたせいか、多少は柔軟なんだろうけど、でもだいぶ音楽の趣味は仕上がっている年齢であり、たくさんの壁が出来上がっているとは思う。

それでも長い間生きていると、その壁が突如壊れる(壊してくれる)瞬間があり、その壁が取っ払われた音楽は、いままでとは全然違う距離感で聴く、そんなことが何度かある。

そんな、壁が突如壊れる瞬間が数日の間に立て続けにおきたので、3つの記事とキヲクをキロク

ひとつめの壁を壊してくれたのはこのnote。

40代同世代の椎名林檎さんの言葉にか、同じ子を持つ親としてしての著者の言葉にか、それとも何十年も同じアーティストを好きでいるという同じ経験に、なのか。このnoteの言葉の強さに一気に飲み込まれ、最後は目の前に、ぽん、と、椎名林檎を置かれた、と思うくらい、椎名林檎さんは近くなった。この言葉が好きだ。僕もある音楽家をずっと待っている。

何歳になっても、あなたは旬だ。誰もあなたを化石にしない。

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つぎはこの記事。NewsPicksの連載、全8回。

そういえば矢沢永吉さんのインタビューって初めて読んだかもしれない。テレビやラジオでお話は聞いたことあるけども。この記事はインタビューなんだろうけど聞き手の質問が記載されていない。だからなのか、まるで矢沢さんが話しかけてくれている、僕だけに話してくれている、最後はそんな印象になってしまう、すごい読み物だった。僕は40歳になったとき、あー人生まだまだ長いじゃん、って思い知らされた。まだ頑張んなきゃいけないのか、とか、100年時代とかどうやって生きるんだよ、とか。でも読み終わって心の中でつい言っちゃいました。「ありがとうございます!頑張って生きていきます!」と。あー、きっとこれがカリスマなんだー。

それでも、俺は自分に言いました。
「お前、大丈夫。これでいいんだよ」って。「不器用で結構だ」って。

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最後の記事。いま半端なく人気の「あいみょん」と「定年」って言葉のミスマッチなコラボレーション。

音楽業界にいるから、あいみょんさん、もちろん聴きます。サブスクチャートの上位半分はあいみょんさんだし。インタビューや分析記事なんかも結構読んだ。どの記事も若者の心を動かしている、と書いてある。間違いなくそう思う。だから余計にこの記事にハマった。若者から定年まで虜にするあいみょん、おそるべし。もっと教えてよ、君は何者なんだ!

僕たちにはユーミンがいたように、君たちにはあいみょんがいる。
あいみょんと一緒に歩く人生、それはきっと無敵なはずだ。

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ある一人のファンの体験談、ロックスターの音楽人生、定年した人生の先輩が綴る想い。3つの記事の共通点、その人だけの想い。音楽は誰かの想いがない限り絶対に届かない。想いの連鎖。IT化、デジタル化するからなおさら。ある音楽家が深夜スタジオでいま出来たばかりの曲を聴かせてくれたことが何度もある。アレンジもミックスもこれからだけど、だけどその生まれたての瞬間の曲に一番想いが詰まっていると思った(初めてこの体験をした時、僕の音楽人生の向き合い方が変わったと思う)。これが綺麗にミックスされ、ジャケット着せられ、お店やネットに並び、何人もの仕事を通っていくことで、100の想いが80になり50になり30になって伝わっていくのを、何度も感じたことがる。だからSNSってすごいと思った。100を可能な限り100として伝えることができるから。話がずれた。

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記事ではないけど、もうひとつあった。岡田パイセンのエンタメブートキャンプというオンラインサロンがある。ある日のゲストがカニエ・ウェスト論を翻訳された池城美菜子さんだった。

カニエ・ウェストの知識なんてまったくない。ヒップホップとかもあんまり知識ないし、いままでの活動の経歴とか知らないもんですから、どちらかというとスキャンダラスな情報やセレブな日々の方が印象にありました。だけど。

カニエ・ウェストという人は芸術家なんです。

カニエ・ウェスト「論」だから、解釈、になるのだろうけど、池城さんが思う感じたカニエ・ウェストをいろんな角度で無理なくゆっくり入れていただき、そして自分なりの解釈する時間やヒントもご用意してもらい、完全なる新規コンテンツが自分にインストールされた、そんな回だった。

カニエ最高。

Yes I am, Yes I am, Yes I am a human

1984文字。

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