56歳、退職日を迎える。
今日、退職辞令交付式のはずだ。でも私は行かない。前文でも書いたように円満退社ではないからだ。上司が1時間もかけて本店へ出向き、私の退職辞令を代わりに受け取ってくれる。こういったセレモニー的なことを最重要視する組織にとってみれば、変わり者の私を快く思っていない人が多い。なおさら行きにくい。
退職辞令を取り仕切るのは、総務部総務課。私にとって管理部門の苦手な部署の一つだ。トラブルも多かった。手書きの業務車両管理日報を勝手にシステム化したのを咎められたことを思いだす。
フロントガラスの飛び石事件もそうだ。業務車両に飛び石が当たり2回連続でコンプライアンス委員会にかけられた。1回目はトラックの飛び石が業務車両のフロントガラスに当たりヒビが入った。2回目も対向車の飛び石が運悪くフロントガラスに当たり同じ状況になった。管理職の私は事故報告書を管理部門に提出したが、再発対策が十分ではないと事故報告書の書き直しを命じられた。
2か月連続の短い期間に2回も連続して起こったので何か対策を取って報告しろというのが管理部門の意見である。「これからは急ハンドルを切って回避します。」とか「ワイパーで飛び石をはじきます。」と事故報告書に真剣に書こうかと思った。
やりすぎコンプライアンスは組織をダメにする。退職日を迎えてこんなことを思う。