7-4:まだまだ奥深い「モト」についてのQ & A④(人生はなぜ辛いのか?と思ったときに読む『モト』の話)
7-4【まだまだ奥深い「モト」についてのQ & A】④
Q:どうして地獄はこんな仕組みになっているの?
A:設計した者がいるからです。
僕たち全員、ひいていえば、生き物すべてにこの地獄に生まれてくる「理由」があるような状況を考えると、そもそもその「理由」を満たすための、都合のいい世界を「設計して作る」必要があったと考えられます。
おそらく、天国の世界ではるかな昔(時間の概念も天国と地獄では違うのですが)、地獄を作ろう! となって、色々試行錯誤をして作ったんだと思います。
そして……現在も「建設中」なんだと僕は考えています。ガウディの聖堂よろしく「最も高い理想の形」に向かって、地獄世界の時間軸は常に「形を変えながら」存在していると考えられます。
僕たちの人生は「シナリオ通りに進む」とさきほど書いたところですが、時間軸の外(天国の世界)からいっぺんに時間軸(地獄世界)を見下ろしながら「もっとこうしたらいい、ああしたらいい」という『時間とシナリオの修正』が、ちょくちょく行われているのではないか、ということです。ただ、この修正は、地獄にいる僕らには絶対に分からないはずなので、僕らには修正後の世界だけが見えているはずです。まとめると、過去も未来も、僕らには分からないところでちょくちょく改変されているだろう、というのが僕の見立てです。
話がそれましたが、要はそういう「時間軸=地獄世界」の「設計・管理者」がいるのはおそらく間違いありません。
それは誰か……もちろん「あなた」です。そして僕もです。この地獄に生きている者(人間だけではありませんよ)全員です。そして……それらは実は、たった一つの「命」から分岐してできているものなんです。だから、禅問答でよく言われるように、僕たちは「全にして個、個にして全」なんですよ。
Q:他者というものは、どうして存在するの?
A:一つしかない「命」が、うにのように枝分かれしているからです。
根本的な話として、命というものは、もともと「一個」しかありません。
もし「命」というものに「個数」があるとするなら、この地獄世界に存在できる「生き物の数」に制限ができてしまいます。その個数以上に増やせないし、その個数以下になると、命が余ってしまいます。
この問題をスッキリ解決する答えが一つあります。もともと「一個しかない」のです。もともと一個しかないものを必要に応じて分割する、と考えれば、何億個の命が必要になっても対応できます。
その「命」がどんな形なのか……わかりやすく説明するモデルとして僕は
「うにのトゲ理論」
を考えました。
命が海洋生物の「うに」のような形をしていると仮定して、そのトゲの先に顔がついている、そしてそれぞれの顔は足元を見ることができない、そういう構造です。
隣の顔は見ることができるので、うにのトゲの先の顔から見ると「この世界が他人の集まりでできているような認識」になると思います。ですが、この顔はあくまでうにのトゲの先に過ぎないんです。自分でなかなか気がつけないだけで、実際は足もとの「うに本体」を通して、僕らの命は全部つながっていて、どちらかというと本当は一個の大きな塊なんです。
ココロがワイヤレスでモトをやり取りできる仕組みも、こういう構造があってこそなのではないかと僕は考えています。
このたった一つの「命」が、たくさんの「人生」を同時並行で経験し続けている、というのがこの世界の基本的な構造になります。ですからこの地獄には他者というものが存在し、そして他者という存在と「必ず関わらなければならない」仕組みになっているのです。
第六章で書いた「他人のすることは自分がするかもしれないこと」とは、比喩ではなく、文字通り「仕組み」にそった事実だと言えます。少々イメージしにくいかもしれませんが……。