おわりに(ニンゲンのトリセツ・改)
◆本書ができるまで
『モトの話』、いかがでしたでしょうか。初めての方にとっては「前代未聞」の話ばかりだったのではないかと思います。ただ、これまでにスピリチュアルな本や講話などをよくお読みになった・お聞きになった方にとっては、特に新しい内容でもないのかもしれないと、筆者の僕も考えています。
ですがこの『モトの話』は、スピリチュアルな話でよく出てくることに「なぜなのか?」を与えるために作られました。人のココロや感情の変化、そしてその先にある人間関係。そういったことで「いいこと」とされていた話が「なぜ“イイ”のか?」を必死に追い求めた先にあった「ちゃんとした理屈」がこの『ココロの材料』『ココロの量』という概念です。容姿と性格が災いし“さみしい学生”になってしまった17歳くらいのころから考察に考察を重ね、30年近くかけてなんとか文章化したものがこの『モトの話』です。
結果として、苦しい霊感の修行などを経て高次元の波動でハイヤーセルフにアクセスできるアセンションを達成しなくても、アタマで考えることで誰でも「仕組み」を理解できるような
霊感ゼロの【癒やさない】スピリチュアル本
というコンセプト通りの本が書けたのではないかと思っています。
そしてこの本『入門編』は、【20日目】でも書いたとおり「まだほんのはじまり」に過ぎません。この『モト』という新しい概念は、今まで「なんとなく」「感覚で」つかむしかなかったいろいろな事がらに、ちゃんとした『理由』を与えることができる唯一の概念なのです。ぜひ次巻以降も引き続きお読みください。
と、ここまで『モトの話』を「世界で初めての話」として紹介してきましたが、実はこの話を世に出すのは、これで四度目くらいになります。最初は自身のブログサイトに思いつくままに書き連ね、それを1年ほど続けました。そこで書いたことを「本の形にしよう」として処女作
『人生が辛いのは「なぜ」か? と思ったときに読む「モト」の話』
を半年かけて書き下ろし、amazonで電子書籍として発表しました。
しかしながら、この本を読んでくださった数人の友人からは(本は全く売れていません)、全体的に読みづらい、何が書いてあるのかよく分からない、量が多すぎて読めない、といったお叱りをたくさん頂きました。
そこで、その本で語ったことを元に、より「伝わりやすく、分かりやすいものを」と考え、ラジオアプリ「Spoon」にて毎日5~10分の講話を録音することにしました。この講話は、聞いてくださった方にはおおむね好評をいただき(毎回10人くらいの方がイイねしてくれました)、エキスパート編までの内容を1年ちょっとかけてすべて録音しました。
そのときの録音を元に、再び書籍化にチャレンジすることにして書き下ろされたのがこのシリーズ『モトの話』なんです。
というわけで結果的に、一度本に書いたものをラジオ放送にし、そのラジオ放送をまた本にする、というまどろっこしいことをしてしまいました。しかしながら、この3年に渡る「遠回り」によるブラッシュアップを経て、ようやく「面白くてためになる」本が書けたのではないかと思っています……自信満々です。
◆おやくそく:「モトの話」を『信じないこと』
最後に……僕の話を聞いていただく人には必ずお伝えしているご注意を書いておきます。
僕の話は、もしかしたら「全部」間違っているかもしれません。
モトというものは小さな小さな粒子で、本編で書いたとおり「質量」すらない粒子なので、小さすぎて現代の科学ではまだ「観測することができない」ものです。もちろんモトは粒子加速器で発見されたり、存在が計算式で証明されたりしているものではありません。
だからです。モトの話を聞くとき、人にするときは、必ず次のことを約束してください。
何でもそうだと思うのですが、他人の話を「そうなんだ!」と鵜呑みにしてしまうのが一番怖いと思うのです。必ず(いいですか、「必ず」ですよ)一度は
「ホントなの!? ウッソだー!!」
と思ってください。
そしてその上で、ご自分の日常生活に戻って、僕が語った話が本当かどうかを、ご自身で確かめてみてほしいんです。たとえば
モトというものは、本当にあるのか?
人間のココロというのは、本当に『量』のあるものなのか?
ココロが注目によって「やりとりされている」のは本当なのか?
そういったことを、です。
そしてそういうご自分の研究をなさって「もしかしたら、モトというものは本当にあるのかもしれない……?」という実感を得られてから、もう一度この本をお読みになることをオススメします。
ともかく、一度は疑ってください。僕の話は「世迷い言」に過ぎないのかもしれません。ですが……その「世迷い言」に、もしあなたが幸せに生きるためのヒントがあったのだとしたら、筆者としてこれほど嬉しいことはありません。
◆大改訂版を書き下ろすにあたって
本書は『ニンゲンのトリセツ』(シリーズ:モトの話①【入門編】)という本の「大改訂版」です。元になった本は2021年3月に、amazonのKindleというサービスで、セルフ出版の電子書籍として発表されました。そこから3~5ヶ月に1冊のペースで新刊を発表していき、2022年の7月にようやく最終巻の【エキスパート編】までを刊行しました。
「はじめに」で書いたとおり、筆者は無名の新人です。これまで文筆業についたことはなく、文章で『お金をいただく』という経験もほぼありませんでした。そんなシロウトが書いた文章なのですから、当然ながら最初に書いた【入門編】を、五冊目を書きあげてから読み返してみると、もっともっと「伝わりやすく、分かりやすく」できる余地がたくさんあることを感じました……あえて悪く書くと、全体的に「つたないな」と感じたのです。
このシリーズである五冊の本は、それだけで『モトの話』のほぼ全てを網羅(もうら)できるものにしたいという思いで書いてきました。その第一巻である【入門編】がこんなに「つたない」ものなのは、せっかく手に取ってくださった読者のみなさんに申し訳がないな……そんなふうに思えるほど“ひどい仕上がり”だったのです。
(当時としては、それが精一杯だったことは認めています)
そこで、内容を同じにしつつ、より読みやすく、理解しやすい本に「ブラッシュアップ」するため、ほぼ全編を新たに書き下ろすことにしました。
作業開始当初は「1週間くらいでやっちゃおう」くらいの軽い気持ちだったのですが……結局1ヶ月ほどかかってしまいました。同じ内容とはいえ全部の文章をイチから書き直したので、当然と言えば当然の作業量です(筆者はアホなのですよ)。
とはいえ、前バージョンの「つたない」本を書くのに3ヶ月ほどかかってしまったことを考えると、自分自身の成長の手応えのようなものを感じます。我流とはいえ、さすがに1年半ほどかけて五冊の本を書きあげたら、少しは「書くこと」に慣れるんだなぁということですね。
ご感想やお叱りの言葉など、ぜひみなさまのリアクションを筆者にフィードバックしてくださると幸いです。これからも「書き手」「語り手」として精進していきたい所存です。
というわけでまだまだ新人のシロートである僕こと筆者ですが、あの「つたない」一冊目を買ってくださったみなさまに感謝を込めて、そして新たにこの本を買ってくださった方々に感謝を込めて、次の
『カンジョウのトリセツ』(シリーズ:モトの話②【初級編】)
へバトンタッチしたいと思います。次巻もどうぞお楽しみに!
2022年10月
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「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)