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私的写実絵画考察「白い壁を正面から見て描く」

例えば真っ白な壁を正面から描くとします。
光源が左上だったとして、光源に近い左上が微妙に明るくなりますよね。
で、右下が若干暗くなる。
その明暗差が極わずかだったとして
それをそのまま絵に描いて完成した作品を壁にかけて展示した時に右上から照明が当たる。
絵に描いたのは左上が明るくて右下が暗い壁。
でも実際展示された絵を見ると照明の加減で右上が一番明るい壁になっている。
作品のどの位置にも同じだけの光量を当てれば問題ないのだろうけど物理的に限界がありますよね。
作者は左上がわずかに明るいのを表現したつもりなのに
鑑賞者には「右上が明るい壁」として伝わる。
だから、どう考えるか
深読みする鑑賞者は「右上からの照明がきついから右上が明るいだけで実際は違うかも、、」と考えるかもしれない。
また別の人は「そんな細かい事気にしても仕方ない」と考えるかもしれない
ある抽象画家は「だから写実表現なんて意味がないんだよ」
と考えるかもしれない。
これって正解なんてないと思うんですよね。
っていうか、むしろ「すべてが正解」かもしれない。
ただ思うのは描き手としては、そういうことを考えて描きたいと思うんですよね。
正解は無いけど、考えることに意味がある。
例えば、そこが写実表現における「写真との違い」になるかも知れない。

「じゃあ、お前は描き手としてどう考えてるんだよ」
という質問が聞こえてきますので、
答えてみようと思います。
今の僕は、
鑑賞環境、展示環境に委ねてみればいいんじゃないかな
と考えています。
壁は真っ白で明暗差が極わずかなのなら、いっそのこと
壁に明暗差を付けずに描いて展示環境に委ねる。
どうせ極わずかな明暗差なんて描き分ける技量を持ってないですからね。

あ、これはあくまで、今のところの僕の考えです。
またそのうち変わるでしょう。諸行無常です。

それから、あたかも自分が写実主義者という前提で話してますけど、
僕の絵はエセ写実主義です。わずかな明暗を描き分けれない、なんちゃって写実画家。
頭に”なんちゃって”が付きますので、そこはご了承下さい。

#写実 #絵画 #マモる #404美術館 #描き方 #アート

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