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質感を捉える(リアリズムの3要素その②)

質感表現はリアリズムにおいて重要ですよね。では、質感を脳みそはどう捉えているのか。
例えば、ビニール製のレインコートと 布地のワンピースをどう見分けているか。
レインコートは光を反射するのでコントラストが強くなりますよね。明暗がはっきりしている。
それに対してワンピースはコントラストはあまりない。明暗が曖昧。
銅像と石膏像を見比べてもだいたい同じことが言えるでしょう。コントラスト、色調による質感の捉え方。これが一つ。
もう一つは細密による質感の捉え方です。
猫を描くとき、毛を1本1本捉えて描く。板を描くとき、細かな木目を捉えて描く。肌を描くとき、皺を捉えて描く。分かりやすいですよね。
質感表現の要素として、「細密の追求」が大きな役割を果たしていると思います。なぜなら、最初に話したコントラスト、色調による捉え方も細密を追求することによって出来るからです。
色調の変化を捉えることは一見、細密ではないように思いますが、細密を追求したうえで、省略して描くこと。とも言えるからです。
この省略して描くことも実は大事で、全てを細かく観て、細かく描く必要はないと思います。人はモノを見るときそういう風には見ていないからです。
例えば、デニム生地のジャケットがあり、一部分を観てデニム特有の繊維の重なりを捉えます。そしたら、わざわざジャケット全体をいちいち確認しなくても、これはデニムのジャケットだな。と認識するからです。
しっかりと細部まで表現するところと省略するところ。その使い分けができれば問題ないと思います。(だから、それが難しいっちゅうねん!!)

次、量感を捉える(リアリズムの3要素その③)です。

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