春の邪気は
風邪(ふうじゃ)という。
一般的なカゼとはすこし違う。
中医学では、
春にはよく風が吹き、
特に下から上へ吹き上げることで、わたしたちのからだに不調をもたらすと言われている。
陰の季節から陽の季節へと移り変わり、今まで土の中でひっそりと冬を越していた植物や虫や動物たちもそろりそろりと起き出して、芽吹いてくる。
ひとのからだにも同じような現象が起こりだす。
寒くて縮こまっていた筋肉もゆるみ、
これまで溜め込んでいたものをそろそろと吐き出していきたい時期になる。
いわゆるデトックス、解毒というやつ。
春は、そういう、
どんどん外に、上へとエネルギーが向かっていく季節となる。
まさにダイエットにも最適の時期。
ただ、上へとあがるエネルギーに伴って風邪を引き起し、
頭に血が昇るような、イライラ、鬱々とする感情や、
何となく「わーーー!!」っと叫びたくなったりする。
(え、ならない?)
それから、
風邪は肝に負担をかける。
肝は、血液を貯めたり、気の流れを調節してたり、目や筋といった器官を司る。
肝が疲れて、血液が不足すれば
精神的な不安だったり、イライラと怒りっぽくなったりする。
目が疲れやすくなったり、まぶたがピクピクしたり、足をつりやすくなったりもする。
あと、二枚爪みたいなのもそう。
実は爪も肝の管轄なのである。
全部バラバラのようで、
繋がっているという考え方が中医学の不思議で、おもしろいところ。
たしかに、、
と自覚する部分がある。
そんな肝のはたらきを助けてあげるためにできることは、
春が旬の芽吹きもの、ほろ苦い山菜を食べること。
血を増やすという意味では、
赤身の肉や青背の魚、緑の濃い葉野菜なんかもとても良い。
滞りやすい気を巡らせるには、
香りのある香草やハーブなどを添えたり、柑橘の香りを添えるのも良い。
とにかく、
スーパーに買い物に行く時には、
1番目につく旬の野菜コーナーや売り出しの品を気にして見るといい。
いまの季節に必要なものがそこにはあったりするから。
そんな風に、食卓に春を取り入れて、
自然と食養生ができるといい。
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