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体重計の言いなり
朝、体重計に乗る。すると、今日もまた指摘される。「水分量、標準未満。」
言われるがまま、対策を講じることにした。300mlほど入るコップで、一日七杯以上、何かしら飲む。最初は面倒だったが、続けているうちに少しずつ改善し、ようやく「標準」の下限にたどり着いた。
とはいえ、何でも飲めばいいわけではない。カフェインを摂りすぎると眠れなくなるし、胃にも負担がかかる。だから、コーヒーやお茶は控えめにし、なるべく他の飲み物とバランスをとるようにしている。結局、いちばん飲むのは白湯だ。余計な刺激がなく、身体の調子が整う気がする。
ところで、一日の終わりに飲み忘れた分をまとめて摂取すると、なぜか血の気が引く。ミネラルが足りなくなるのだろうか。そんなときは、スポーツドリンクを飲んだり、インスタントのスープをすすったり、おせんべいをかじったりして、なんとか乗り切る。
そして今日、新たな問題が発覚した。細かい数値をチェックしてみると、「骨量、標準未満。」
今度は骨か。しかし、そもそもこの体重計の数値を信用していいのだろうか。セールで安かったから買ったものだし、常に体重が1キロずれている。そんな機械に「骨が足りていない」と言われても腑に落ちないのだが、気にし始めると放っておけなくなる。
調べてみると、骨量を増やすにはジャンプが効果的らしい。幸い、ジャンプなら道具もいらないし、場所さえ選べば誰にも怪しまれない。よし、明日から人目を避けてひたすら跳ぼう。
天井を叩いてコインでも出てくればなお良いのだが、そうも言っていられない。1UPするつもりで、ひたすら跳ぶしかない。健康は金なりだ。マンマミーア。