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ゾウのうんこに会いたくてタンザニアに行った話①


「サバンナのゾウのうんこに、だるい、せつないって言って来たら?」

好きな短歌の話をしていたら、友達からこんなことを言われた。

この一言で、僕はタンザニアに旅立つことを決めた。旅立つ、と言っても10日程度のごく短期の旅行だ。それでも海外で一人旅をしたことがない自分にとっては一大決心だった。

当時の僕は、なんとなく入った会社で、3年目として無気力に仕事をしていた。まあ割と不自由はない生活だったのだけど、そういう熱量が低くて省エネ志向の自分が嫌でモヤモヤしていた。もっと大胆に行動したいという気持ちもあった。

だからその友達の言葉が天啓みたいにも思えて、タンザニアに行くことにした。

とりあえず後戻りできないように返金不可のチケットを取った。あとはエアビーで宿だけ確保して、そのほかのタンザニアに行ってからの諸々は現地で考えることにした。

「大胆さを手に入れるには荒療治が必要だ。」と思った。そしてそれができれば、ポンッとチャクラが開いてなんか別の人間になれるのでは、などと期待してもいた。

そうして僕はタンザニアに向かった。


 


長いフライトを終えて、サファリの拠点近くの空港に降り立った。


エントランスを出ると、いきなり猛烈なタクシーの客引きにあった。エアビーのホストが迎えに来てくれることになっていたのだけど「やっぱ来れなくなった!」とメールが入っていた。代わりに、ホストの知り合いが迎えに来てくれるらしい。

でも、その知り合いの写真を送ってくれるわけでもなかったので、どの人だか全然分らなかった。てかホストですら見つけられるか不安だったのに、その知り合いって…。もうマジで誰だよって感じだ。

そのまま10分くらいタクシーを断りつつオロオロしているとガタイのいい青年が近づいてきた。

続く…。

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