秋の空時計

どうやら事故に遭って、救急病院に搬送されたようだ。

気付いたときには、真っ白な天井が見えた。
なぜか身体を動かすことができず、
プシュー、プシュー、ときどきアラーム音が聞こえてくる。

あ、また眠っていたのか・・

目が覚めては眠る、を繰り返しているようだ。

☁　☁

ようこそ、いらっしゃいませ。

どこからか、声が聞こえてきた。

ここは、どこですか？

あなたが大好きなところです。いいでしょう？

ふわふわしてるけど、空の上？

ピンポーン！！正解です！
あなたは選ばれて、ここに来ることができました。
おめでとうございます！！
どうぞ、ここで、好きなだけお楽しみください。

ふーん、よくわからないけど・・空の上なのか・・
なんだか幸せな気分だな・・

姿の見えない誰かと話すことも、自分の姿が見えないことも不思議だった。
でも、気分は爽快だった。

ここは、何という場所ですか？
今は、何月何日の何時ですか？

ここは、秋の空時計、えーっと・・
秋の空時計の、部屋のような場所です。
時間は気にしなくても大丈夫です。
秋の空時計ですから。
あなたの好きなように、夜になったり、朝になったり
変わるので、気にしなくて大丈夫ですよ。楽しんでくださいね。

何が大丈夫なのか、まったくわからなかったが、
気分もいいし、気にせずに、ここで過ごすことにした。

《完》

こちらの企画に参加しました。

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