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大学生と一緒に、エントリーシートについて向き合いました

ぼくは「さがまち学生クラブ」という相模原・町田の大学生で構成される団体のファシリテーターを務めています。

その活動の一環で『エントリーシートを埋める会』という企画を参加メンバーに対して催しました。その中のワークを文章化したいと思います。

もしかすると「今エントリーシートをどう埋めようか迷っている」「なにを書いたらいいのかわからない」という大学生の方にも、「使える!」と思っていただけるかもしれません。


「エントリーシートを埋める会」の流れ

会の組み立てに関しては、以下のサイトを参考にさせていただきました。
なにから手をつけていいやら混乱してしまいやすいエントリーシートに対して、わかりやすく分類し道を示している良記事です。

記事で紹介された頻出項目90を、Notionでまとめたもの

まずは、参加者が回答するのに直近苦戦している項目を、90項目の中からチョイスしホワイトボードへ並べていきました。そこで挙げられた項目、被り具合で、調整しながら会を設計しました。

前半は、自分一人では埋めづらい「周りから見たあなたの印象」をメインに分析とヒアリングを行いました。後半は、各自が苦手とする項目を対象としたワークを実施しました。

就活の悩みは、当然個々に違います。20〜30人集まるようなイベントではないので、お仕事で実施するワークショップなどと比べて、できるだけ臨機応変に変形できる組み立てを意識しました。

紹介したいワーク①:
ざっくり聞かないヒアリング

周りから見たあなたの印象、、、
これを知り合いに改めて質問するとなれば、聞く方も聞かれる方も非常に照れてしまいます。堂々と答えてくれるのはゼミの教授(軸のあるのおじさん)くらいでしょう。
なので、「周りから見たあなたの印象」を身近な人から聞き取っていきたいなら、質問は明確に。「“周りから見たあなた”を埋めたいんだけど、俺ってどうかな?ww」みたいな聞き方では、欲しい答えは返ってこないものと思います。

この会では、各自の長所・短所へもつなげたかったので、質問は2つに絞りました。

『さがまちの活動のなかで、「こいつ、やるな」と思った瞬間は?』
『(自分が短所に思う点を詳しく挙げた上で) 一緒に活動する中で、その短所目立ってますか?』

ポイント①:
抽象的な長所ではなく、風景も思い出せるようなエピソードを聞き出す

一緒に活動している、もしくは近い距離の関係である利点を活用するなら、とにかく解像度の高く語れる瞬間を聞き出すこと。「瞬間」や「一緒に活動する中で」というワードでそれを意識させることができます。

ポイント②:
短所はとにかく具体的に聞く

長所以上に短所は答えづらいです。「本人が想定している以上のレベルの短所を答えてしまえば、質問者を傷つけてしまう」と思い、関係を大事に思う相手ほど芯のない回答を選ぶと思います。質問者からエピソードを挙げて、それに対してその瞬間の思ったことを聴くと、回答者は非常に答えやすくなります。

聞き取りに手応えがない時に、まず疑ってみるのは「質問の質」でしょう。実際に5人をこの方法で回しましたが、ただの褒め合いにはならず、ある程度有益な情報交換になったように感じました。

紹介したいワーク②:
紙回しブレスト

これは就活に関わらず、アイデアを深めたい時に使えるブレインストーミングの方法の一つになります。用意するのもは人数分のA4紙とペンです。

この会のなかでは、各自がひとつずつ苦手とする項目を対象としました。
さきほどの90項目からひとつ抜粋し、A4紙の左上にタイトルとしてその項目を書き込みます(※図①)。

ここからがブレスト、
3分間でまず自分がその項目に対して考えていることをなんでも書き出してみます(※図②)。素直にエントリーシートに書くことでも良いし、なんでこの項目を苦手と思うか自己分析してみたり、採用担当者はなにを見ているんだろうという分析でも、今の気分でもOKです。

次に、A4紙を人へ回します。自分のところへは、別の人がテーマ設定し、別の人が好きに書き込んだA4紙が回ってきます。
読み込む時間1分を加えた4分間、今度はそのA4紙に対して書き出していきます。1回目と同じようなことを書いてもOK、別の人が書いた文章に対してのリアクションでもOK、考えに対する反論でもOKです(※図③)。

こうして、4分間づつで回していって多くの人の書き込みがされたA4紙が一周回って自分の手元に戻ってきます。これに対して自分なりに簡単にまとめてみるのが、最後の4分間になります(※図④)。
紙の中でできた流れに沿うのもOK、文章を読んで全く違うジャストアイデアを書いてもOK。全然まとめなくてもOKです。

ポイント①:
グループで結論を出す、とは違う

このブレストは自分ではじめて、自分で終わらせていい構成になっています。プロセスで書き込んでくれた人の意見を立てる必要は全くありません。他の人の存在は「様々な人を通ったことで、自分の回答の納得度を上げる程度」に機能していると思っていいでしょう。

ポイント②:
俺のアイデアは俺のもの、おまえのアイデアも俺のもの

このブレストの良い点は、堂々と人のアイデアを使える感があるところにあります。きっと、この方法なら自分の思考の範囲を超えて考えを広げられると思います。衒い(てらい)なく、人のアイデアを自分の中に取り込んでみてください。

このブレストは手軽なので、卒論のテーマ決める時など、他人の目線も少し加えてなにかを決定したい時に有効です。ぜひやってみてください。

ちなみに、この時の参加者さんが書いた実際の紙もこちらに置いておきます。(ご本人から許可はいただきました)

さいごに

ぼくは大学生当時に就職活動をほぼしていません。そのため、エントリーシートに向き合ったのは、今回が初めてと言っていいくらい就活初心者です。

おじさんになった今は、ちょっとの問い・ちょっとの解で、一人の人生・会社の命運を決めているんだと思うと、就活生と人事系の方の集中力に感動してしまいます。今の気持ちでタイムリープして大学4年生にもどれるなら、就活楽しめてしまいそうだと思いました。


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