田舎はそんなにいいところじゃない #7
#7 イナカの図書館
とりあえず利用できる図書館は2つ3つあるが ここの本はページが白いTOKYOではベストセラーなんか 読みたい人が多いので同じ本が2.3冊並んでいてページは真っ黒だし 大体の本がページは薄黒くなって疲弊している。入ったばかりの本だけが明らかに新品とわかる。が ここでは書架に並んでいる本のページは白くてピンピンして新鮮な姿だ。新品という価値観よりも 誰も触らない悲しみを表現した姿に見える。 申請して保存庫から出してもらう本は もちろん古くて汚れた姿だが養老院に押しやられた悲しい感じがある。それを渡してくれる司書の顔つきを見れば「一体何で こんな本を ワザワザ」という考えがありありと感じ取れ ということは保存庫の本をワザワザ申請までして読もうとする利用者など私以外に一人もいないのかもしれないと思われる。
その「県」のつくトショカンでのことだが ある日イスに座って本を読んでいたら すんごい大声でずーっと喋ってる人たちがいて 近くで勉強している学生も何かを我慢している様子だったが 10分以上は続く騒音を誰もなんともしないらしい。騒音の元はどうやら上の方だ 2階は吹き抜けになっており騒音は空間に撒き散らされている。
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