説得力を身につけるために習慣づけること
中途社員としてコンサルに転職した後、初期に当たった壁です。
メンバーはみんな忙しく、インターナルミーティングの時間は30分/週。
この時間で、進捗を共有した上でマネージャー含むチームの総意を作らないといけません。
「こういう状況であることがわかりました。こういうことが言えると思います」
自分なりの主張を持ち込みます。そこで返される一言。
「で、どうしてそう思うの?よくわかんないから教えて」
リサーチして情報はちゃんとまとめた。そこからスタンスも取った。でも伝わってない。
前回「スタンスを取ることが大事」ということを記載しました。
今回はスタンスは取ったものの何故か伝わらない。という次の学びを共有したいと思います。
「主張」を構成するロジックの構造
結論から言うと、伝わらなかった要因は「論理の飛躍」をしていたってことです。
論理。ロジカルシンキング、ロジックツリー、MECE、why、so what…。
社会人になると多くの人が学び、通る道ですよね。ロジカルシンキングができれば仕事ができる人になるんじゃないか的なマジックワードです。
一番大事なことは「主張」と「理由」と「ファクト」と言う、ロジックツリーの階層を理解することだと思います。
前述のケースでは、「スタンスをとった」「主張はした」「ファクトは述べた」
でも伝わらなかった。と言うことですね。
上の図で言うところだと、中段の「理由」のところがすっぽり抜けていたってことですね。これを論理の飛躍と言います。
「こういったファクトがあります。だからこうしましょう!」
これは共通の前提条件・背景を共有し合った仲だからこそ通じる会話です。
そんな共通認識がない人に対しては、理由も正確に・具体的に伝えなかければ意思疎通ができないのです。
ハイコンテキストな日本文化の弊害
これまで色んな組織を経験して思うことですが、特に日本企業ではこういった論理の飛躍が起こりやすいです。
それは、流動性が低い(固定化された)日本企業の方が、長年同じ経験や価値観を共有し、仲間同士の共通認識があるからだと思っています。
・暗黙の了解
・阿吽の呼吸
同じ価値観の人が集まるとこんな世界になります。ハイコンテキストとも言われます。
そうなると、「主張」に対する「理由」なんて阿吽の呼吸で理解し合えるものです。これが論理の飛躍なんです。
こと、ビジネスの世界ではローコンテキストの世界でも通じるように飛躍のない論理構造で説明しなければなりません。
脱ハイコンテキストのための日々の習慣
最後に、コンサル時代の先輩の助言でためになった、トレーニングを紹介します。
それは「なぜそんな判断をしたかを言葉にできる練習」をひたすら頭の中でやることです。
人間は、意外と無意識でも毎日さまざまな判断をしています。
食べる。移動する。会話する。いろんなシーンでいろんな判断をしています。
”今朝、なぜこの昼食を選んだのか”
「今、ダイエットしているから量を減らしたかった」「賞味期限が違い牛乳が残っていた」「夜、飲み会があるので合計カロリーの調整をしようと思った」
”なぜ、今日の移動経路はこのルート・手段を選んだのか”
「交通費は節制することが当たり前だと思っている」「混雑する時間帯とルートは避けたかった」「一駅分は歩いて運動しようと思った」
自分が取った行動とその理由を意識してみるようにしましょう。
普段、色んな行動をしていますが、無意識に判断して選択しているはずです。
その理由を常に具体的に考えてみましょう。
それを反復するだけでも効果的なトレーニングになります。おすすめです。
常にロジカルであることが良いとは言いませんが、こういった思考回路を使い分けできると非常に便利なので、ぜひ意識してみてください。