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ふるさと思出昔語り~きゃっぽり~

 おらのおやずの語った話す。

"きゃっぽり"っつう言葉あるべぇ。そいづは元々"変え掘り"がら来てるんだっつんだ。

 かえ掘りっつうのは田んぼさ流す水の流れる掘りば堰き止めで、堀の水減らすて底さ溜まった泥だの揚げるごとっしゃ。あどは、池の水堰き止めで魚っこ獲るごともかえ掘りっつったんだど。

 長靴履いでかしぇぐんだきとも、そのうづにだんだんど中さ水へってきてみな濡れですまうがら、そいづを表すて変え掘りから"きゃっぽり"さなったんだど。

 昔の話すだねぇ。

 おらのつっちぇ頃も雨降った後など靴で歩いで水すみできてみな濡れですまった時どが、畦の掘りで遊んでるうづに靴の中までみな濡れですまった時など、『きゃっぽりすた〜』って言ったもんだ。

 今のわらすこだづは遊び方も変わったす、こいな言葉使わねぐなったがなぁ。

 まんつ、言葉っつのは使うすといねぐなっとねぐなっていくもんだ。

 そいなわげでたまぬは昔語り聴ぐのもいがすぺ?

 今日はこのあだりで。んでまずたっしゃでいらいんよ。んでね。


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muku の森の物語
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。